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2007年12月12日 (水)そこまでは残酷なことができない心理学者

おはようございます。
本日の当番、プログラマのM.L.K(LはLogicのLです。Logic&Processing!)

さてさて、フレームレートの話でございます。

“FPS”と聞いての反応は、おおよそ3種類に分類可能かと思われます。
1.「ピーエス、何?」と聞き返す
2.相手の額に見えない照準を合わせようとする
3.相手と目を合わせようとしない

3番目の反応を見かけたら、その人は描画担当のプログラマです(断定)。

ゲームの描画で“FPS”と言えば、1秒間に何回画面を描き換えるのかを表す数字になります。1秒間に60回の画面描き換えをしていれば、60FPS、とか、そいう具合。この数が大きいほど、画面の動きを滑らかに表示できていることになります。

さて、視知覚系の心理学実験で用いられる装置に、“タキストスコープ”なるものがあります。被験者に対して、実験材料となるイメージ画像を呈示する装置なのですが、画像の表示を1msec単位で制御できるという特徴があります。1msec=1/1000秒なので、60FPSなんか目じゃないスピードで制御されている、ということになるでしょうか。プログラマを軽く16人ほど病院送りにできる速さですネ。

なぜこんなに速いスピードを要求されるのかというと、人間が物を見た瞬間から、そのイメージを脳内に形成するまでの速度が20msec~25msec程、ということが大きな理由となります。画像刺激の呈示から反応まで、20msec以内だった場合、これは、いい加減に反応したものとして、分析データから弾かれたりします。まあ、研究者側も、タキストスコープを使用するのは結構な手間がかかったりするので、刺激呈示から反応までにそこそこ時間がかかる実験課題については、パソコンモニターのような、いい加減な、もとい、簡便な装置を利用したりするのですが。

自身が学生時分に実験していた時、研究室の指導教官に、
「タキストスコープを使わなくても大丈夫なのかい?」
と、訊かれて、20msecオーダーで目を逸らせたのも、今となっては懐かしい思い出。

こういった、人間の視知覚特性の側面から見ると、60FPSと30FPSとの差はかなりのものとなります。60FPSでの1フレームあたりの描画速度は16msec強なので、それを見るものに、いわゆるガクつきのような不連続性を認識させませんが、30FPSでの描画速度は30msecを越えるので、画像の性質によっては、それをはっきりと認識させます。

「じゃあ、なんで全てのゲームを60FPSにしないのさ?」
などと、言っちゃったりなんかしちゃったりなんかしたりする、思わず汚したくなるような純真無垢な良い子がいらっしゃりやがったりすると思います。
理由は諸々あると思いますが、結局のところ、描画担当のプログラマが、
「FPSを半分にしようよ~!半分にしても、誰もわかんないって!」
と、駄々をこねたからです(断定)。

「描画プログラマって、イイ加減なんだナ」
などと、思うなかれ。
疲れている時(特に目が)、脳内イメージ形成までの時間が、格段に遅くなります。30FPSと60FPSの区別がつかなくなることくらいは当たり前。
自らの体験をもって、
「もしかして、皆んなの目が常に疲れていれば、30FPSでも大丈夫じゃね?」
と、素晴らしいヒラメキを得た、ということなのです。

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