2008年3月11日 (火)モーションキャプチャの作業
おはようございます 本日の当番、モーションデザイナーのY.Nです。
先日、モーションキャプチャ関連のセミナーに参加してきました。モーションキャプチャの世界でも、新技術を使うことでいろいろと価格破壊が起きてきていることがわかり、なかなか有意義でした。
ということで本日は、「モーションキャプチャのデータを使うときどんな作業をするのか」について書いてみたいと思います。
モーションキャプチャってのは、人やら何やら、とにかく実際にこの世で動いているやつの動きを記録して、それをCGのキャラなどに適用させられるようなデータにする技術のことを言います。
3次元の動きを収録するのはビデオで2次元の動きを収録するのより大変ですし、お値段の方もまぁ、それなりにかかるものなんですが、一旦準備が整ったらすごい速さで動きを生産していけるという利点があります。
2人が5分間ドラマに合わせて演技すると、もう5分ぶんのデータがそろってしまいます。後はノイズを取るなどキャプチャデータに対して行なう特有の整理作業を行なうことで、動きの生成が終わります。
そして、ここまではキャプチャスタジオでモーションキャプチャをした場合、スタジオ側で行なわれることになる工程です。
じゃあモーションを扱う人は他何をするのでしょう? 何もしなくてよさそうです。しかしながら…次の二つが必要になってきます。
・仕様に合わせてゲームに搭載
・動きを強調する
モーションを扱う人は、上記データを仕様に合わせて体の向きを変えたりする単純作業の他に、仕様に合わせるためやバランス調整のために元々入っている動きを変えてしまうなどの、複雑な作業も多く存在します。
体全体のバランスの他、動きの流れのバランスにも注意を払ってきれいにあわせてあげる必要があります。
たとえば、踊っている動きのデータがあるとします。どこをどう切り出してもループしていません。しかしながら、背景に踊り続ける人を配置したい。自身が自らの意思で動く動作ですので体幹を重視し、重心の移動方向と位置に注意しながら、末端は無視してループできそうなところに目星を付けて後はがんばって調整するのみとなります。
あらかじめアクターの方に「ループの動きになるように」と言っておいてうまくいく場合もありますが、それを意識して動きが悪くなると本末転等です。その辺りは、キャプチャ現場でいい動きがとれる方向で指示することになります。
またアクターさんは人間なので、そのアクターさんが演技されているところを見て別段何も感じなかったとしても、CGの無機質なキャラクタにその動きが入った途端、味気なさを感じたりすることもあります。生身の人と違って、CGキャラでは体や服が柔らかくないところあたりも生身の感じを奪っているのでしょう。体の動き自体の意味合いが薄かったことに気付かされます。
そんなとき、ちょっとした緩急の強調や姿勢の特徴付けを行なってやると、活き活きしてきます。
一からアニメーションを作るのに重要なことは、キャプチャにおいてもやっぱり重要なことなんですね。期日と相談して、できる範囲で最大限手を加えていきたいものです。
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