2008年4月 9日 (水)困り果てましたよ、ホント!
おはようございます。本日の当番、プロデューサーの角和です。
前回は業界入りのきっかけをお話いたしましたが、今回は私の初開発商品の開発エピソードをお話したいと思います。
これまでのブログを読んでいただいている方は、私のデビュー作品は、てっきり家庭用ゲーム機向けソフトだと思われていることと思いますが、実はそうでは無くアーケード向けの、いわゆるゲーセンの商品開発からでした。
(前回、ファ○コンの事にしか触れていませんでしたので、ちょっとズルイ?)
配属されたチームは、既に3ヶ月ぐらい前から開発がスタートしている〝縦シュー〟チームで、そこのチーフデザイナーのUさん(女性の方)を紹介されました、が・・・その直後に衝撃の事実を知らされたのです。
※Uさんの逸話は機会があればお話したいと思います
その事実とは・・・
今では考えられませんが、そのチームにはデザイナーが1名しかいない事。
そして、いきなりの「君がオブジェクトのメイン担当者となります」との宣告。
いやいや、いくら中途採用とは言えゲーム開発に関しては、右も左もわからない〝若造〟をつかまえて、本当に「ムチャ言うな、この人達・・・」と、入社早々早くも再転職の危機を迎えたのでした。
※当時はまだ21歳
そんな現実を突きつけられ、途方にくれていた私に優しき手を差し伸べてくれたのは隣の開発部署でほぼ1年ほど前に入社したという、さわやかそうな先輩デザイナーのKさんでした。
※この〝さわやかそうな〟Kさんの逸話もまたいつか機会があれば
その方は、「以前に作ったオブジェクト(当時はドット絵)で良かったら、参考にすると良い!」と、温かい言葉とデータディスク(時代が時代だけに、今は知らない人も少なくない3.5インチディスクで、しかも512Byte)を手渡されました。
その日からは、Kさんからもらったデータのドットの置き方を分析したり、残業と称して会社に泊まっては、夜な夜な〝巨匠〟と呼ばれているデザイナーの人のマシンをこっそり立ち上げ(その後、見つかって怒られました)データを見せてもらったりと、どうすれば美しい画像が描けるのか、いわゆる〝ノウハウを盗む〟毎日でした。
※その会社には、ビジネスホテル並みの宿泊設備があり、入社早々〝ヌシ〟状態
そんな先輩の助けと努力?の甲斐あって、その4ヵ月後には何とか殆どの作業が終了し、気が付けば実際にゲームセンターで一般のユーザーにプレイをしてもらい、その反応を観察する〝ロケテスト〟なるものを実施する日を迎える事が出来ました。
※ロケテストとはロケーションテストの略。
しかし、世の中はそんなに甘くない。
スタート初日からユーザーの反応はシビアで、難しすぎると途中で遊ぶのをやめられたり、筐体のガラスを叩かれたり、グラフィックがショボイと笑われたりと、連日連夜、バージョンアップの為に何度も会社とゲームセンターとの往復をしたものです。
そうこうするうちに、それなりにユーザーの着きも良くなり、一日に稼がなければならない〝基準インカム〟(つまり百円玉の数)をコンスタントに達成したという事で、約2ヵ月後にめでたく発売となりました。
それから〝んん十年〟がたち、一年以下の開発なんて考えられない状況の変化と、スタッフ数にしても数十人がかりの規模が珍しくない現代のゲーム開発に変わり初開発の時のような〝家内製手工業 の開発〟というのは無くなりましたが、やっぱり発売日にはショップに張り付いてしまい、パッケージを手にとってくれているユーザーを見ると、変わらずこの事を実感するのです。
『こんな面白い仕事は他に無い!』と。
そして、このブログを読んで頂いているゲーム関係者の方や、ゲーム開発者を目指している方に、言いたい。
『俺たちと一緒に、この達成感を味わおうぜ!』と。
是非、アクセスゲームズの門戸を叩いてくださいね。
待ってます!!
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