2008年6月 6日 (金)シューティング三昧の日々・・・そして
おはようございます。本日の当番、プロデューサーの角和です。
前回は私の初の商品開発時に紆余曲折だった事をお話しましたが、
今回は、その後に開発した2つのタイトルにまつわるエピソードを
書きたいと思います。
前作の開発資料の整理も完了し、次機種の企画開発(当時は、企画仕様書を
殆ど作らず、企画を考えながらデザイン業務も平行して行うという
スタイルでした)を行っていたある日、所属していた課のチーフ
プログラマーとチーフデザイナーのUさんが、口論をし始めたでは
ないですか!
実はUさん、社内でもちょっと有名な気の強い方で、気が付くと周りの
開発員たちが、まるで蜘蛛の子を散らすかのごとく、いなくなって
いる事に気づきました。
翌日、出社時間になっても現れないUさん。
気になって自宅に電話をかけてみたところ、留守番電話になっており、
なんとも恐ろしいメッセージが流れて来るではありませんか!
「しばらく旅に出ます。探さないでください。ピ~ッ」・・・って?!
※今思い出しただけでも恐ろしい・・・
正直、自分も旅に出たい心境でしたが、転職をしてようやく入り込んだ
ゲーム開発の現場であり、自分の企画をゲーム化する野望を簡単に捨てる
わけにもいかず、残されたデータを探りさぐり解析して何とか自分で
作成した物も含めて画面に出せる様になりました。
それからは、先輩デザイナーのKさんや他部署のデザイナーさんに
多大な協力をしてもらい、死に物狂いで突き進んで、半年後には
見事完成の日を迎える事が出来ました。
・・・本当に完成して良かった。
もし、あの時逃げ出していたら・・・きっと僕のプランナー人生は
終わっていたのでは無いでしょうか。
その後、最後のデータをプログラマーに渡し、無事、生管(生産業者に
生産を発注して問題ないかチェックをする部署)から内容のOKを
もらってのんびり気分をスタートしようとしていたのですが、
突然、業務用開発総責任者の部屋に来るようにとの連絡。
まさか・・・適当に済ましたキャラクターに物言いが入ったか・・・
それともROM容量があまったので、落書きで埋めたのがばれたのか・・・
そんな事を考えながら、緊張しつつ扉をノックして入室。
すると、そこには以前から尊敬していた隣の課のディレクターの姿が!
話を聞くと、「君はUP休暇に入る予定になっているが、その前に
現在開発中の商品開発に企画デザインで参画してみないか」と言う
お誘い・・・チャチャチャチャ~~~ンす!!!!!!!
そのゲームはどんな物かといいますと、その会社の「看板ゲーム」
とも言えるシューティングゲームで、入社する前から「俺だったらこう
デザインするのに」だとか「こんなアイデアを盛り込んだら、絶対
ユーザーはハマるのに」と色々ネタを溜めていた、いわば入社動機と
なった、そんな憧れのゲームでした。
UP休暇なんてとんでもない!是非やらせてください!!と、
二つ返事で快諾をし、翌日から隣の課へ引越しをして、ユーザー時代の
思いの丈をぶつける毎日が始まりました。
ところがその課はお泊り禁止のエリート?チームだった様で、
今日泊まるだけでこの仕様を盛り込む事が出来るのでと、憧れの
ディレクターを口説き落としたり、時には周りの人を巻き込んで
オールナイト企画会議を実施したりと、本当にお騒がせしました。
数ヵ月後、80%程度完成したゲームは、なんと、元の課で完成させた
商品と共にダブルでAMショー(念願の)出展が決定したのでした。
皆さんピンっと来ないかもしれませんが、新製品でもブースの都合で
出展されない物も結構あり、初めての出展が同時に2つもされるのだと、
本当にうれしかったのを覚えています。
-そして、ショー当日-
初日には、開場と同時にたくさんのユーザーが一目散に我々のブースに
押しかけてくれ、まさに黒山の人で、スタッフ一同人をさばくのに
うれしい悲鳴でした。
ところが、その当時、2種類のゲーム基板が搭載でき、ユーザーが
好きなゲームを切り替えて選ぶ事が出来る新型筐体というものにて
出展していたのですが、シューティングの前に開発したゲームと
そのシューティングが同じ筐体に入っており、開場前には同じ数だけ
プレイできるように設置したのですが、全ての筐体がユーザーによって
シューティングに切り替えられるといった現象が起こり、いくらがんばって
作っても、「ユーザーは正直」という現実の厳しさを味わったのも、
この時でした。
それから、数年間はなぜかシューティングの企画開発ばかり回って
来るようになり、シューティング三昧の生活を送っていたのですが、
そんなある日、遂にきました、ディレクターをやってみないかとのお話が。
・・・ところが、世の中そんなに甘い話は無いですねぇ・・・
さて、どんな困難が待ち受けていたのか?この続きのお話は、次回当番の
時に話したいと思います。
ではでは。
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