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2008年8月 8日 (金)めいきんぐ・おぶ・ゲーム企画書【その 3】

おはようございます。本日の当番、プランナーのK.Mです。
アイデアが閃いてからゲーム企画書が完成するまでをブログの連載で見て頂く、
「めいきんぐ・おぶ・ゲーム企画書」の順番がやってまいりました。
お久しぶりです、今回は連載4回目、後半戦突入となります。

これまでの記事は、下記のリンクでご確認ください。

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めいきんぐ・おぶ・ゲーム企画書
   【その0】イントロダクション
   【その1】発想編 ぱっ! → 思いつくまま書きなぐれ!
   【その2】検証編1 間を置いて、冷静に自問自答 /問1の答え
★今回【その3】検証編2 間を置いて、冷静に自問自答 /問2の答え
   【その4】構成編 誰に向けた企画書か?/企画書構成のセオリー
   【その5】完成編 でぃす・いず・ゲーム企画書
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前回に引き続き、発想したゲーム企画をクールダウンした客観的目線で見てみて、
思い当たった問題点の回答を模索するプロセスをご覧いただきます。

この連載の中で具体例として挙げているゲーム企画「Justice Never Die!」では
2つの問題点が見えてきて、前回「問1」の答えを模索しました。
今回は「問2」です。その前にゲーム内容を超要約で確認しましょう。


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 ■ゲーム企画「Justice Never Die!(正義は決して死なない!)」 の超要約

  「死ぬ」=ゲームオーバーではない。「死ぬ」事こそが鍵のゲーム。
  ひ弱な主人公ジェ~ムズは悪党に立ち向かうが、殺され天国へ。
  天使となり現実に舞い戻ったジェ~ムズは、天使のチカラで悪党をやっつける。
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で、問題点はこれ。
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 問2■死=ゲームオーバーじゃないなら、緊張感無いヌルいゲームにならない?

  多くのゲームは死=ゲームオーバー。ゲームオーバーになりたくないという
  緊張感でゲームプレイを楽しめる。
  死=「パワーアップ」のこのゲームでは、ゲームオーバー(緊張感)は何?
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多くのゲームに用意されているプレイの失敗によって追い詰められていく要素、
「ダメージ受る→体力減る→死んでしまう→ゲームオーバー」…に相当するような
ゲーム的緊張感は、本ゲームにも必要だと考えています。
しかし、本ゲームでは「死んでしまう→ゲームオーバー」という図式は当てはめる
事ができません。そこで、死んだ後天使として現実に舞い戻る事ができるという
世界観設定に引っ掛けて、緊張感を生み出すゲームシステムを考案してみました。



■ゲーム導入シチュエーション


 ・平凡な会社員ジェ~ムズは、会社からの帰宅途中、路上強盗の現場に遭遇。

 ・人一倍ひ弱なくせに正義感は強く、美人被害者を救おうとして悪党に殺される。

 ・天国へと召されたジェ~ムズをジョニ~・プロキシィという大天使長が迎える。

 ・「ボクの崇高な計画に協力しないか?」とジョニ~はジェ~ムズに持ちかける。

 ・ジョニ~は神様が「銀河天界会議」で不在の1ヶ月間、神様代理を勤めている。

 ・「神様は昔に比べすっかり丸くなってしまった。昔はもっと現実世界に介入して
   天罰を与え、奇跡を起こし、人々を導いたものだ。」

 ・「ボクは、与えられたこの一ヶ月間で、アグレッシブ神様として現実世界を
   素晴らしい方向に導きたいと考えてるんだ。君のチカラを借りて!」



■設定


ジェ~ムズは最初に死んだ時、神様代理と悪党撲滅キャンペーンに協力するという
契約をする。見返りは天使として現実に帰還する事ができる能力。

現実に留まるには悪党が放つ「負のオーラ」、救済した被害者が放つ「正のオーラ」
が必要で、現実にいるあいだ消耗するので補充し続けなければいけない。
残りのオーラ量はオーラゲージで分かる。現実にいる間ゲージは時間と共に減る。


2008_0807_1


■このゲームにおけるゲームオーバーの流れ

  現実世界でオーラゲージが0になる
     ↓
  天国に引き戻される
     ↓
  失望した神様代理から契約破棄が言い渡される
     ↓
  ゲームオーバー



■このゲームにおけるゲーム展開のループ構造


  悪党との対決で殺されないように粘る
     ↓
  悪党から放出される「負のオーラ」を蓄積
     ↓
  悪党の攻撃を食らうとオーラが飛び散ってしまう
     ↓
  悪党は負のオーラを出し尽くすと改心し悪事をやめる 【キモ】
     ↓
  被害者から感謝され「正のオーラ」を蓄積
     ↓
  オーラ蓄積によって現実世界に留まる事ができる
     ↓
  神様代理から知らされた別の悪党被害現場へ(以降、繰り返し)



■天使化プレイの流れ


  大悪党はチマチマと攻撃を避けててもオーラを出し尽くす事はない
     ↓
  悪党との対決でオーラゲージを充分に蓄積した状態で殺される
     ↓
  天国へ。オーラゲージが発光し、現実に帰還できる天使ジェ~ムズになる
     ↓
  天国から悪党のもとに急行し、天使のチカラで対決する
     ↓
  消耗する発光ゲージがなくなるまでの間、現実に天使状態でいられる
     ↓
  天使のチカラで攻撃すると悪党から負のオーラが大量に飛び散る 【キモ】
     ↓
  天使ジェ~ムズでいられるの間に悪党を改心させられるのがベスト
     ↓
  発光ゲージを消耗し尽くすと天使状態が解除される
     ↓
  通常ゲージに戻り、ひ弱ジェ~ムズに。オーラ通常消費も再び始まる


2008_0807_2_2


■ゲーム中盤シチュエーション

 ・現実世界では、ジョニ~とジェ~ムズが行った悪党撲滅キャンペーンによって
  追い詰められ、対抗できるチカラを手に入ようと悪魔に魂を売って大悪党化
  する者が続出。かえって大混乱となってしまう。

 ・理想家のジョニ~・プロキシィはそんな現実に焦り、人々に失望する。
  出張から帰って来た神様にこっぴどく叱られたジョニ~は、堕天使と化し
  地獄へ亡命、ゲリラ活動に入る。

 ・天国の神様と、地獄のジョニ~(ジョニ~は現実を素晴らしい方向に導く事を
  あきらめた訳ではない)の2重契約状態となったジェ~ムズは、現実と天国、
  そして地獄を行き来し、人々のために大忙しで悪党と戦う事になる。

 ・戦え!ジェ~ムズ!正義は決して死なない!



■問2のまとめ 「ゲームオーバー(緊張感)は何?」

 <◎プレイ・スタイル(システム)>

  ・オーラゲージが無くなれば天国に引き戻されゲームオーバー

  ・消耗し続けるオーラを悪党と善人から補充しながら悪党に立ち向かう

  ・消耗スピードは、ある程度ゆとりが感じられる緩やかな設定とする

  ・オーラの蓄積が多いと殺された時の天使ランクが高くなる

  ・オーラゲージは体力ゲージと、必殺技ゲージの役割を兼ねている 【キモ】

 <◎プレイ・ベネフィット(魅力)>

  ・悪党を見つけられない or 戦いミス→オーラが減る→緊張感あるプレイ!

  ・オーラゲージ蓄積=「安心感」に留まらず、「パワーアップ」への布石!


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以上のように自問自答をきっかけとして、ゲーム内容を掘り下げてみました。

注意点としては、考えているゲームアイデアに新規性があり他のゲームの常識から
外れてしまうという問題点の解決策を模索する時に、既存のゲームイメージから
解決案を出そうとすると、せっかくの個性が消えてしまうかも?という点です。

安易にその方向に流されず、できればその問題点を解決するだけでなく、更なる
個性を獲得し、相乗効果を生むようなアイデアを出したいものです。
いわゆる「転んでも、ただでは起きない」と言うやつです。ちょっと違うかな?


ふぅ、今回も、長文になってしまいました…。
次回は、いよいよ企画書構成のセオリーを語りたいと思います。
続く!お楽しみにー。

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