2009年8月17日 (月)ディレクター2作目の悲劇!!
おはようございます。本日の当番、プロデューサーの角和です。
早いもので、これまで書いてきました僕の『ゲーム開発ヒストリー・ディレクター編』?に突入しまして、前回は、私が初めてディレクター職に就いた際の事を書かせていただきましたが、今回もその後の頃のお話をしたいと思います。
念願かなって、とあるゲームで初ディレクター経験を経て、意気揚々とプログラマF君と次回作の構想を練り始めたのですが、時を同じくして、新規開拓として業務用筺体型ゲーム開発部署が設立され、運良く僕らはその部署に配属となりました。
その頃はまだ各メーカー共、限られたタイトルでしか3Dハードが使えない時代で、多分に洩れず僕達のプロジェクトでは2Dハードでの開発でした。
ところが、その頃3DCGに『どっぷり』魅了されてしまっていた僕達はと言うと、若気の至りと言うかハードの事などお構い無しに、3D空間を使ったドッグファイト・シューティングの企画書作成を夢中になって推し進める事に・・・。
下記に、当時の記憶を頼りに、2Dハードで3Dゲームを作る際に行ったパターン計算を記載します。
※この文章を書いていた際、横で見ていたデザイナーU君が、「いまどきのユーザーはパターンって言われてもわかんないッスよ」と指摘されたので、補足しますが、昔のハードは2Dで描かれたの連番画像をパラパラアニメの様に再生して、キャラクタの向きやポーズを変えていました。
●戦闘機(一機体)パターン計算
①正面から見た回転(Y軸回転)を32パターン
②ループ(つまりX軸回転)を32パターン
③総パターンとしては、「①」の各方向×「②」のループ
⇒1024パターン
④機種によっては可変翼のアニメーションとして「③」×パターン分
・・・どうです、当時の僕はこの天文学的数のデータを作成しようと、真面目に仕様作成を行っていたわけですが、今考えるとその純真さに泣けてきますね。
また、プレイヤー機及び敵機(AI)の挙動の仕様と、今では3D配置ツールを使って行う、敵セット(配置)に関してもチョー原始的な、クオータービュー専用グラフ用紙に手書きと戦闘機画像の切り張りで、コツコツと作成した事を覚えています。
※当時は何故かPCで仕様書を書くと言う発想自体がなく、ワープロ(死語?)で打ったテキストを切り張りをするという方法止まりだったと思います。
企画書を作り始めて、丁度チューブファイル一冊分位まで書きためた段階で、前作のプログラマーF君がわけあって別のプロジェクトに引っ越す事となり、僕のチームには別の先輩プログラマーが合流してくる予定となりました。
そんなある日の事。
その先輩が近づいてきて、「どんな仕様で作ろうと思ってるの?」という話になったので、「よし!」とばかりに仕様書を見ながら説明したところ、遠くの空を見つめて「これ、3Dやん・・・大変そうやな・・・と言うより・・・なんとかなれば良いんやけど・・・」と。
おいおい、今更そりゃ無いッスよ、先輩!!
・・・皆さんお察しの通り、このプロジェクトは程なくして、中止となりました。
でも人生悪いことばかりではありません。
ディレクター2作目にしていきなりプロジェクト中止を味わい、傷心の日々を送ってた僕に、ある日、朗報が飛び込んで来たのです。
それは、今までのハードと比較して、数分の一のチップ単価でテクスチャ付きポリゴン(くぅー・・・懐かしい響き)を表示できる新ハードが使える事になるが、挑戦してみるか?!と当時の所属長からのご提案。
この、歴史的ハードとの出会いに、またまた皆さんお察しの通り、『勿論、やります!!』と二つ返事をしている僕がいたのは、言うまでもありません。
この日、僕のゲームデザイナー人生で、3D時代の幕開けになる・・・はずの一日だったのですが、世の中そんなに甘い話は無いものですね・・・ホント。
さて、どんな困難が待ち受けていたのか?この続きのお話は、次回当番の時に話したいと思います。
※また困難かい!!
ではでは。
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