2009年9月24日 (木)2次元と3次元の間には、今日も見せたいアレがある
同情するなら○○をくれ(激古っ)
おはようございます。本日の当番、モーションデザイナーのK.Cです。
今日はちょっと2Dアニメーションの話をしようと思います。
唐突ですが、初っ端からクイズです。
次の①~③へ移動する絵の中に【均等】に
1枚ずつ絵を入れるならどこでしょう?
①・・・②・・・③
簡単ですね。真中に入れるだけで良いので
①・A・②・B・③
答えはこのようになります。
…ですが、
①A・・②・・B③
このようになる場合があります。
「おいおい。左右に片寄ってるやん!無能なの?馬鹿なの?」
そう思った貴方。残念ながら無能は否定しきれないのが痛いところですが、
それはこういう時のことなんですよ。↓
そう。円運動しているものを横から見たときです。
これは2Dアニメーションの基本知識の一つで、円運動しているものの他に、
人間の【振り向き】モーションなどを描く時の目や鼻や耳の位置関係を
把握する時にも使います。人の頭などは円柱に近いですからね。
これを知らずに描くと動きの中で顔が崩れる
残念なアニメーションになります。
基本知識なので、2Dアニメーションを習っている方なら
聞いたことや習ったことがあると思います。
…いや。習ったことが無い方でも【感覚的に知っている】と思いますよ。
実際、下のGIFアニメを見てください。
球を回すアニメーションなのですが、上下どちらが回って見えますか?
前後関係で球を拡大縮小させているのもあり、一見上下とも回って見えますが、
下の方がより回って見えませんか?
…でもこのままでは弱い。私の握力ほど(左右35㎏前後…)に弱いのです。
そこで先ほど書いた【感覚的に知っている】。これを利用します。
具体的には、左右に動きが詰まるのを極端にします。
絵を両端に増やしました。
ゴワンゴワン回って見えると思います。
轢かれたら潰されそうです。
こういう極端に絵を詰めるのを2Dアニメーションの技術だけとは思うなかれ、
実は3Dアニメーションでも使うことがあったりします。
3D的にきっちり回したところで表現できるのは最初のGIFアニメ止まりです。
「でもどの角度からも見られる3Dゲームではばれるやんっ」
…ごもっともです。
しかし、定点カメラで決まった動きをする場合はどうでしょう。
そう。所謂【デモ】などがそれに当たります。
リアル感のあるゲームならそうそう思いきったことは出来ませんが、
アニメ調にデフォルメされたゲームデモなどで、私は味付けに結構使いました。
鳥が雄大に旋回する時や、横殴り(フック)のパンチで殴るときの拳の軌道など
中には螺旋軌道で昇天する魂とか諸々…
キャラクターだけデフォルメされて、動きはモーションキャプチャーをベタ移植の
リアル感たっぷりってのは逆に違和感があるように思うわけです。
今回は円運動の話でしたが、リアルな動きのこの部分を強調するとか、ここは
リアル感より動きを端折ったほうが【感覚的に知っている】部分を刺激する!
など、作品によるリアルとデフォルメのバランス感覚も
モーションという仕事の魅力の一つだと私は思うのです。
あれ?タイトルの【○なき子】の話全然してない…
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