2010年4月16日 (金)三択問題、難ダイ!【後編】
おはようございます。本日の当番、プランナーのK.Mです。
2、3ヶ月前ぐらいの前のブログで、ゲームを作る中での悩みどころ「三択問題」
について書かせていただきました。(前回はこちら。クリック!)
【後編】として、今回も引き続きこの話題について熱く語らせていただきます。
■前回に続き、熱く語りたい課題
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スペック向上によって色んな事がリアルに表現可能になった!
どの部分を「リアル(写実的)」にして、
どの部分を「オミット(省略)」し、
どの部分を「シンボル(記号)化」するのかが重要!
スペック向上の恩恵を、思わぬ方向に振り向けたら…
もしかしたら、全く新しいゲームが生まれるかもしれない!
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TVゲームが誕生した時、限られた計算能力だったので、
ゲーム中の表現は、何もかもがシンボルと言えるような状態でしたが、
その後、どんどんスペックが向上してゆき、多くの色数、複雑な動き、
豊かな音色などを扱えるようになりました。
前編で語ったとおり、ゲーム性の根幹部を「大げさに描く=記号化する」と
派手に、そして遊び易くなります。
何もかもリアルに…は、必ずしも得策とは言えません。
そして、多くのゲームがスペック向上の恩恵をゲーム内における「取り巻く環境」
のリアル化に注ぎ、ゲーム性の根幹「シンボル部分」については継承するという
スタイルで進化を続けました。
「取り巻く環境」とは、キャラや背景のディティールや動き、モノの縮尺や比率、
時間の概念や物理挙動などなど。
これらがリアルになる事で根幹が同じゲーム性でも、ガラリと雰囲気が変わり、
新鮮なプレイができました。
しかし、新ハードが出るたびにその新鮮な感動も、徐々に薄れてしまっている
ような気がします。
そして、「取り巻く環境のリアル化」は近年、極まったレベルに近づきつつあり、
今後、更に「これ現実!」と言えるものを目指すために力を注ぐには、
開発労力を倍倍ゲームのように増やさなければいけないような状況に
なりつつあるのではないでしょうか?
リアル感が極まった素晴らしい次元に到達できたはずなのに、個人的な見解ですが、
現状に対して何か「閉塞感」のようなものを感じてしまいます。
しかし同時に漠然とではありますが、何か突破口があるかもしれない!と
希望も抱いています。
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スペック向上の恩恵を、思わぬ方向に振り向けたら…
全く新しいゲームが生まれるかもしれない!
→「ゲームっぽい」を見直そう!
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TVゲームが誕生した当時では実現できなかった魅力的な要素が忘れ去られ、
眠っている…なんて事はないでしょうか?
当時、娯楽のお手本として例えば、カードゲーム、スポーツ、小説、映画等で
得られるワクワクできる魅力的な要素を取り入れたい!と考えたものの、
スペック的に泣く泣くオミットするしかなかった…といった事があったのに、
その後、開発者達は自分達が敷いた「ゲームっぽい要素」のレールの上で
終着駅にたどり着こうと懸命になりすぎて、昔あきらめた別の道を忘れている
…というような事があるかも?
今こそ持てるスペックを注ぎ込んで、それらをゲーム性の根幹に迎え入れれば、全く新しいゲームが生まれるかもしれない!などと考える事があります。
何か、ものすごく漠然としてますけど…。
それは、どんな要素か?
自分達が敷いた「ゲームっぽい要素」概念の見直しとして、例えば、
自身の持つ「ゲームっぽい」概念ではゲーム化には不似合いだと思うような、
しかし抜群に面白い映画について、ゲーム化を考えてみる…
…とかから何か見えて来ないでしょうか?
ゲーム化を考える時は、安易に既成ゲームジャンルにはめ込むのではなく、
その映画の本当に面白い部分を点検し、その魅力的な要素をゲームのキモとして
膨らませ、シンボル化してゆきます。
例えば…
ゲーム化!「パルプ○ィクション」→安易にザッピングアドベンチャーにしちゃダメ
ゲーム化!「○ョーシャンクの空に」→安易に獄中生活シムにしちゃダメ
ゲーム化!「となりのト○ロ」→安易に(?)送迎カーアクションにしちゃダメ
…む、難しい…。
しばらく、お待ちください…。
続く………のか?
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