2010年5月20日 (木)有から有
おはようございます。本日の当番、モーションデザイナーのK.Cです。
来月日本の工学実験探査機が遥か宇宙の彼方より帰ってくることで
昨今宇宙に注目が集まっていますね。個人的にも楽しみです。
さてさて、宇宙の始まりと言えばビッグバン。
古典物理学的には「無から有が生まれた」瞬間。
※最近では、ビッグバン以前の宇宙は無ではなく「有・無の揺らぎがあった」
という考え方が主流だそうで、何を言っているのかおじさんさっぱりです。
この「無から有」ですが、我々ゲーム制作も「無から有」を生み出す仕事。
…と思われがちですがさにあらず。
私も含め多くの制作者は凡人です。「無から有」なんてそうそう出来ません。
じゃあどうするのか。
デザイン業は巷に溢れる情報のアナグラム。流行だったり、温故知新だったり。
そこで、このブログでも多くの方が書かれている
「引き出しをふやせ!」とか「情報収集!」とかです。
改めて言われなくともわかってるって?…いえ。ごもっともです。
でもこれは単純に「知識を増やせ!」と言う意味だけではありません。
「ユーザーの感覚の塩梅」を知れと言う意味も多分に含んでいるのでは
ないかと思います。
むしろ私の職種であるところのモーションはこっちの方が重要だったりします。
例えばボールを投げるモーション一つとっても、野球のピッチャーの投げ方は
手からあのサイズであの重さのボールを投げる理想的な力の伝わり方をしている。
原理はよくわからないけど、その流れにのっとってなければ「変に見える」
と言うのが大半のユーザーの見え方です。
ですので我々はまずその力の流れ方を知らなければなりません。
突拍子もない力の流れを詰め込んで表現してももユーザーには届きません。
逆に言えばその流れにのっとっていれば実際は無理っぽい動き、
このケースで言えば【尻で投げる】【額で投げる】などというものを作っても
ユーザーに「おお!リアルっぽい」と思ってもらえるということです。
また、これは実際の動きだけでなく流行りについても言えます。
芝居や舞台、また他社様のゲームや映画やアニメ等の映像媒体を見ることによって
ユーザーはこういう表現がリアルに感じる。またはカッコよく思う。
等の【感覚の塩梅】を知るのも大事なのではないかと思うわけです。
つまり
有(ユーザーのこの表現は【アリ】って感覚)から有(じゃこう言う表現どうよ?)
なわけです。
…あーよかった。タイトルと繋がった。
※毎度タイトル決め打ち&見切り発車です。
あ。ちなみに「無から有」的アイデアで有名な【コロンブスの卵】
私はこの【卵かち割って立てた】って発想は、さんざん悩みつくした人、
言わば作り手側から見た「おお!納得!!その手があったか!」
的な話じゃないかなと思うんですよ。なんか考えが一周した感があるというか…。
正直コレ普通に見たらナメンジャネーゾコンチクショーじゃないですかねぇ。
肝心の卵の形状が変わってしまったら納得しないでしょうよ。
・テーブルに塩を少量まいて立てる
・ゆで卵にして卵を勢いよく回す(中身的には形状かわってますが…)
見た目で納得してもらえるのはこの辺じゃないかなぁと。
当時【壊してでもOK】ってのが乱暴だなぁ。異人こえぇ!と子供心に思いました。
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