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2010年9月 2日 (木)[続]当時の3Dハードスペックは・・・

おはようございます。本日の当番、プロデューサーの角和です。

バタバタしていて、あっと言う間に日直当番が回ってきました。
このところ、「日報あくせくジェ~ムズ」では【号外】が続出して、うれしい限りです。
みなさん、今後ともよろしくお願いします!


さて、前々回のブログでは、僕が初めて開発した3Dゲームで、魑魅魍魎の世界をテーマにしたプロジェクトのサンプル版を、開発部の関係者へプレゼンした際にあがった「凸凹の岩肌が欲しい」やら「洞窟や森は?」との、3D初期ハードに対してのムチャぶりコメントがあがったお話をしましたが、今回はそれらをどの様に乗り切ったかのお話をさせて頂きます。

当時の3Dハードのスペックは、今と比べるとそれはそれは可愛らしいポリゴン描画能力で、今なら普通の携帯電話でも表示できるんじゃない?と言うレベルかと。
※すいません、携帯電話のゲームを開発していないので、憶測ですが・・・

当然、バンプマップやノーマルマップ、スペキュラマップなども非対応の全くシンプルなハードでしたが、とあるデザイナーさんが、テクスチャに対して職人的に手描きで「てかり」を描き込み、「なんちゃってスペキュラ」でCGらしさを再現するという技法を発明されました。
※厳しいスペックの当時では、まさに発明

人手不足の折、ディレクターの僕もモデリングの一部を手伝って?いましたので、この〝職人技〟の上手いデザイナーさんには、ホント脱帽したものです。

で、面倒くさがりの僕は、もうちょっと楽に「なんちゃって~」が出来ないかと考えるわけですが、、、
試しに3Dツール上で岩肌の簡単な凸凹をモデリングし、立体的に見える様にライティングを施してやり、「てかり」「影」のある画像をテクスチャにして張り付けてみたところ、これがまあ、そこそこの立体感を醸し出してるじゃないですか!!!
ついでに、質感に関しても、あらかじめバンプマッピングをした画像をテクスチャ化した「なんちゃってバンプ」によって、さらにゴージャスな画面に仕上ったのでした。

その際に気づいたのですが、このプロジェクトの企画仕様では、あらかじめパス(線路みたいなもの)で引かれたプレイヤーの移動ルートやカメラワークをトレースしていくと言う物だったので、画角を考慮して物を配置すれば、少々嘘をついてもバレないという事が分かりました。
どうしたモンかと保留になっていた森の制作も、あらかじめ3Dツール上で作成した背景モデルをレンダリングし、テクスチャとしてローポリの書き割り(○○新喜劇の背景セットやカッコよく言えば映画のマットペイントかな)モデルにマッピングする事で、欝蒼と茂った森などを再現する事で無事解決、一応。。。


これって発明じゃない!


と、色目気だったのですが、直後にハイポリモデルで作成したキャラクタモデルをテクスチャ化して、ローポリモデルにマッピングした、3D格闘ゲームが発表され、


それの方が凄いじゃん!!


と、ガッカリしたもんですが、当時から、ゲームではなくCG業界では、計算時間短縮の為、シーン中のある程度の遠景モデルを何層かに分けてレンダリングし、それの画像を書き割りとして配置する事は当たり前だったと言う事を、のちに知りました。


かくして、当時はそれなりに満足のいく画面になった幾つかのステージを用意し、お偉いさん(死語?)への2度目のプレゼンに挑んだのです。

結果は・・・十何年も前と言う事もあり、みなさん目が肥えてなかったのか、それなりに評価を得る事ができ、ついに本格始動許可の「ハンコ」が貰えたのでした。

ようやく、商品開発のベースとなる表現方法が固まったわけですが、次回は本格始動直後のお話か、業務用ならではの要素である「筐体(きょうたい)」の開発についての何れかを、お話し出来ればと考えています。

それでは、また。

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