2011年3月10日 (木)【理想】という虚勢
おはようございます。本日の当番、モーションデザイナーのK.Cです。
もうすぐ4月。各社新人さんが入ってくるシーズンとなります。
去年新人だった方は春から先輩ですね。
まぁ今回はそういう人たちに良くある話をします。
私の仕事はモーションなのですが、この仕事は我々先輩の立場から見れば、
最初に作り方を教えてしまえば1年目と2年目では特に技術的なことに関しては
さほど変わりがありません。
と言うのもこの職種は覚えていくと言うより仕事の数をこなして自分で気付いていくことの方が多いからだと思います。
例えば【かっこいい】と一言でいっても表現方法は無限に存在します。
その中で既存の表現を真似して試して失敗して改良して数をこなしてやっと
自分の【かっこいい】の形を作っていく訳です。
このあたりは料理人に似てる部分もあるんではないでしょうか。
作り方は料理本を頭に入れれば完璧でしょうが、【おいしい】も無限に
存在しますので。
さてちょっと話を戻しまして、
そういうまだ成長段階の2年目の人でも新人さんから見れば立派な先輩な訳で、
「ここはどうするんですか?」と、質問と言う暴力を純真な瞳で奮ってきます。
…ええ。失言ではありません。あれは立派な言葉の暴力です。
しかも悪気は微塵もありません。
先程書いたように自分の形がまだ固まっていない状態、さりとて先輩として
「わからない」とは答えられない。どうする?
そこで出る苦し紛れの答えが【理想】です。自分が出来ないのを派手に棚上げして自分がこうでありたい理想を答えるしかないのです。
ちなみに2年目の方を題材に挙げましたが、これはこの時だけでは終わりません。
ずっと付いて回ります。たとえチームを束ねる立場となっても常にこれです。
恐らく人生とキャリア両面から半分をとっくに過ぎてる歳となった私でも
こういうケースは日常多々あります。
…でもですね。
こういう虚勢は無くなったと同時に成長は止まると思うんですよ。
それって理想の物がバンバン生み出せる達人になったか、元々の理想が低かったのかどちらかだと思うのですが、後者だったらさみしいと思いませんか?
という訳で2年目の方は【理想】はどんどん伝えましょう。
その新人さんがその理想に近づけたら良い訳ですし、
言ってると自分も意識するようになるし結構良いことずくめです。
「わからないからあの人に聞けよ」って言いやすいけど自分にはなんの
プラスにもならないんでもったいないですよ。
んまぁ【理想】という虚勢も張り過ぎて、胸張って堂々と【理想】のみを言えるよう
な汚れたおじさんにならないよう自分も努力しましょうってことですよ。
…っは!俺のことか!?
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