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2011年3月17日 (木)次のステップ

おはようございます。本日の当番、CGデザイナーの西出です。

最近、CGの技術革新に対して改めて注目しています。

一時期停滞していた映画のCG技術でしたが、2000年代後半から「アバター」の圧倒的な世界観、「トランスフォーマー」の絶対的な質感表現と物理シュミレーション、「インセプション」のリアルな夢の具現化、「トロン・レガシー」のバーチャルキャストなど、ありえない設定が「疑いなく受け入れてしまう」映像技術に関心を寄せています。

昨今の海外ドラマでは、何の変哲もない会話の1シーンでも、ありえない街並みや自然を再現していたりもし、それは自然過ぎるほど消化されていて、CGが使われていること自体気付かないことがしばしばです。

この技術の進歩の流れに対して、少し次のステップが見えてきたような気がしています。それは絵画史における19世紀末、写実主義から抽象主義への変化の初期段階にあたる印象派の絵画表現が、そう感じさせるのかもしれません。

「よりリアルに」を目指し、とにかくフォトリアルを追求した、90年代後半から現在に至るまでのCG技術、これが絵画史でいうところの写実主義の時代だとすると、そのリアルを越えたところにある、人の感情に訴えかける抽象主義の時代が、次のCG技術にも求められる課題なのではないかと感じています。

少し話は変わりますが、最近CG技術による「質感情報」を脳はどのように処理しているのかをテーマに新学術領域として研究されている方々もいらっしゃるそうで、エンターテイメント業界以外での研究も盛んになってきています。ちなみに映画等で使用されるリアルなレンダリング処理を目指したアルゴリズムを研究開発している人材は世界的にみても凄く少数らしく、日本では10人程度だそうです。

現実世界以上の素晴らしい感動を作り上げる。これは単にファンタジーな世界をリアルに表現する意味ではなく、先にも述べた脳に与える影響や仕組みを取り入れ、「感動を引き出す技術」を見出すことが、今後エンターテイメントの映像技術として、大きな課題になるような気がしています。

ゲームにおいてはリアルタイムレンダリングが表現の主である為、プリレンダーの表現に近づくにはもう少し時間がかかりそうですが、最終的には同じステップへたどり着くと考えています。

そう考えると今後が楽しみで仕方ないですね。

今回はこれにて。

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