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2012年9月27日 (木)平行視点確認

おはようございます、CGデザイナーの岡本です。

今回はちょっとだけアニメーションよりの話です。

といっても私は3Dアニメーターではないので現在の技術的な話ではなく、
ドット絵で格闘ゲームのキャラクターアニメーションを描いていた頃の話。

当時のアニメーション制作フローは、ざっと以下のような感じ。

企画の技設定リストを元にアニメーションの原画を1枚1枚描く
原画をスキャナで取り込んでベタ塗りと枠線だけの仮アニメーションを作成
仮アニメーションにタッチを加えて仕上げる

※この前後にもっと行程があるのですが、気が向いたらまた書くかも。
 実は一番楽しい行程は①の前にあったりします。

私は、絵が取りたてて上手いというわけでもなかったので①の行程は結構苦痛
でした。なので原画を描いている時点でアニメーション全体の流れが出来て
いるのか?というと怪しかったです。もちろんライトボックス上でパラパラ
アニメ的な確認はしますが。

多少変だなと思っても、描き直すのに時間を取られるのでそのままスキャナで
デジタル化して見てみると・・・やっぱりおかしいことが多かった。

1枚1枚の各ポーズがカッコいいというのはもちろんなのですが、私がとりわけ
気を使っていたのが軌道。格闘ゲームなのでパンチ・キックの手足の軌道が
カクついているとカッコ悪いんですよね。

なので、いかに力強く滑らかに動いているか?を重要なポイントとしていました。

そこで以下を見てください。

2012_0926_01

丸が体の一部位(回し蹴り時の足)として、その軌道がどうか?を確認します。
一見、問題ないように見えますが・・・。

2012_0926_02

こうすると1枚だけ、軌道を外れているのがわかります。

当時使用していたツールにはレイヤー機能もなくPhotoshopも導入されて
いなかったので、この手の確認が簡単にはできませんでした。

実際に補助線を入れたりするのですが、もっと素早く確認したいと思って
編み出した手法が『平行視点確認』。(そんな大げさなものではないw)

要は画面上のドット絵の軌道方向に向かって、モニターの上下左右から見る
というだけですが・・・。

2012_0926_03

そうすることにより軌道のズレが認識しやすくなります。
今はPhotoshopでレイヤー上に並べたり、3Dツールでカメラの角度を
変えることにより簡単にできてしまいますが、当時はこういうアナログな
手法で対処していました。


こういう、いかに時間を短縮してより良いものに仕上げるか?を考える
ことは、今でも自分の中に活きているのではないかと思っています。

2012_0926_04

余談ですが・・・、

先月はgamescom 2012の視察と併せて欧州の視察に行かせていただきました。
詳細は現在レポートを順次アップ中ですのでそちらを見ていただければと
思いますが、色々刺激を受ける事が出来て大変有意義だったと思います。

特にパリのルーブルとオルセーの両美術館は、著名な作品の筆使いや色使いを
生で見る事ができて感動。まだまだ全部を見切れたわけではないのでまた
行きたいと思っています。

ちなみに一番印象に残ったのはアンリ・ジェルべクスの『ローラ』でした。

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