2012年10月17日 (水)緑という色について
おはようございます。
本日の当番、CGデザイナーの西出です。
今回は原色の「緑」という色についてのお話です。
緑という色は、自然界で最もありふれた色ですが、こと絵画やデザインでは最
も扱いにくく、緑は一切使わないという人も少なくないそうです。
緑に関して、いったい何が問題なのか?
基本的に緑が重要な色である点に間違いはありません。
心理学者や色の専門家の多くも緑を原色とみなしているそうです。
また人間の目は、黄緑の波長に最も敏感で、虹のこの部分が一番明るく見える
のは、この理由によるとのことです。
しかし、書籍の表紙デザインの分野では昔から、緑の表紙は売れないと言われ
ています。また衣装デザインにおいては、照明の関係から緑は不気味に見える
ことが多く、絵画のギャラリーオーナーは、よほど上手く緑を扱っていないと
客が好まないため、取り扱わないそうです。自然の背景を好む画家たちも、真
夏のシーンを避けて春や秋を描くことが多いといいます。
このようなことから、緑は原色でありながら、最も扱いにくい色であることが
わかります。
ただし、自然を描く上で緑を避けることはできません。
樹木が一本出てきただけで、その局面にぶつかります。
ではどうするか?
画家の基本的なテクニックがありましたので、紹介しますと、
1.緑という色を捨ててしまい、いろいろな青と黄で緑を構成する。
こうすることで、多様な緑を生み出すことができ、鮮やかな緑を表現でき
ます。
2.ピンクや赤みの入ったグレーをときおり緑に混ぜる。
このことにより、単調な緑を軽減することができます。
3。キャンバスにピンクや赤で下地をつくり、その上に緑を置いていく。
ところどころに下地の補色が薄ら見えることにより緑がいきいきとしてき
ます。
なるほど。
こうすることによって緑の単調さがなくなり豊かな緑が生み出されるわけです
ね。
それでは、本日はこれにて。
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