2015年10月30日 (金)カットの話(ダッチアングル)
おはようございます。
寒くなってきましたね。まだ奇跡的に風邪をひいてないモーションデザイナーのS.Mです。
まだまだネタのある限りカットの話をしていきたいと思います。
今回は不安定な状況を作り出すカット「ダッチアングル」「ドリーズーム」をご紹介します。
「ダッチアングル」とはカメラを斜めに傾けたアングルのことです。
主にカメラの対象の不安定な心情(不安や恐怖)を表す時に使われます。
ではなぜカメラを傾けただけで、不安定な心情を観客に感じてもらうことができるのか?
観客はカメラが傾けられていると、その傾けられた背景に合わせて目を調整しようとするので混乱します。
そのとき、画面のキャラクターが悲惨な状態になっていると、観客はその視覚的混乱もあいまってより不快に感じてしまうのです。
例えば、敵に捕まっている主人公、銃口を向けられているシーン、事件の真相がわかった瞬間等、ここぞという場面で、画面は通常より傾けて撮影されていたりします。
映画を観るときに意識して見てみてください。
次の「ドリーズーム」は通称めまいショットともよばれます。
台車(ドリー)に乗せたカメラを被写体に向けて、近づけていくと同時にズームアウトすることで、被写体のサイズはそのままに、背景の遠近感だけを変化させるという撮影テクニックです(カメラを離しながら、ズームインするのも同様です)。
カメラの対象の動揺や驚き等、強い印象を与えることができます。
例をあげると、迷路のような建物に迷い込んだ主人公。
進んでも進んでも同じような通路にでます。
不安な主人公の表情のアップをとりながら、背景の通路がぐーーんと遠くに伸びていくカットがでたら外に出られず動揺している主人公の心情風景のように見えます。
物語は山あり谷ありで面白くなります。ぜひみなさんも今回ご紹介したようなカットを使って不安をあおりまくって、谷を演出しまくりましょう!
そして最後にドーンとあがってハッピーエンドが個人的には好きです。
それではまた!
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