2017年3月 3日 (金)首おいてけ
おはようございます、CGデザイナーのS.Mです。
先日、大阪の国際美術館で行われているクラーナハの特別展に行ってきました。
クラーナハはルネサンス期のドイツの画家です。
一般的に馴染みの無い画家かもしれませんが、歴史の教科書でおなじみの宗教改革をおこしたルターの肖像画を描いた人といえば分かるでしょうか。
ちなみにそのルターの肖像画も今回の特別展で展示されています。
クラーナハの作品が主な展示物ですが、それ以外にもデューラーの版画(『騎士と死と悪魔』
『メランコリア I』。)等思いがけない名作に出会い、想像以上に良い特別展でした。
そして、この特別展の一番の見所は「ホロフェルネスの首を持つユディト」です。
クラーナハの代表作のひとつで、展示されている他の作品と見比べても力の入れ具合が強いのが分かります。画家本人にとっても思い入れのある作品なのかもしれません。
ユディトとは旧約聖書に登場するユダヤ人の女性で、ユダヤに進軍してきたアッシリアの将軍ホロフェルネスを討ち取り、アッシリア軍を打ち破るきっかけを作った女傑です。
ユディトは敵軍をもてなし、敵の陣中で行われた酒宴でホロフェルネスが酔っ払って眠った隙を突いて首を切り落としたようです。
酒に酔わせ敵を油断させて敵を討ち取るやり方が源頼光の鬼退治に似てますね。
人気のある題材なので、クラーナハ以外にも多くの画家がユディトの絵を描いています。勇ましい女性は今も昔も人を魅了するものなのでしょうか。
恐らく一番有名なのはカラヴァッジオのユディトだと思います。ホロフェルネスの首を今まさに斬っている瞬間の鬼気迫る作品です。
こんなイメージの絵です。右端のお婆さんはユディトの侍女です。
少し後の画家でクリムトもユディトを描いていますが、血なまぐさい題材にもかかわらず、叙事詩的で官能的な印象を受けます。
右下にひっそりある頭がホロフェルネスの首です。
内容が同じでも画家によって描く姿や雰囲気はだいぶ違いがあります。
舞台やドラマ、映画で同じ題材でも異なる解釈や登場人物のキャラクター性、役者の違いで三者三様の独特な作品に仕上がる事にも共通しますね。
今回の特別展は大阪の国際美術館で4月16日まで開催されています。
そして7月18日にはブリューゲルの「バベルの塔」の特別展が…!
24年ぶりの来日なので是が非でも観に行こうと思います。
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