Francis York Morgan
皆様、初めまして。
[Red Seeds Profile]のゲームディレクター、SWERYです。
本作のWEBサイトを見ていただきありがとうございます。
ここを見ているということは、[Red Seeds Profile]に興味があるという事ですから、そういうユーザーの皆さんが、ゲームの発売日が楽しみで、待ちきれなくなるようなブログになればと心から思っています。
さて、今回は記念すべき第1回目ということで、本作の主人公である”フランシス・ヨーク・モーガン”について話をしようかと。
…と、その前にこのブログを書いている"SWERY"って誰?という皆さんのために、少しだけ自己紹介をさせてください。
僕は、日本の大阪にある"ACCESS GAMES Inc."という小さなゲームディベロッパーで、ゲームディレクションとゲームプランニングを兼任しています。
ACCESS GAMES Inc.は2002年の1月に発足した、まだまだ新鋭のクリエイター集団で、フレッシュな若手と、僕のような15年選手が一緒にゲーム開発をしています。
デビュー作は北米では2004年に発売された[Spy Fiction]で、今作[Red Seeds Profile]は僕がディレクションをしたオリジナルタイトルの第二弾となります。
前作から、実に5年以上も経ってしまいました。
ゲームを作るのが遅くてスイマセン(汗
その分、本当に沢山の思い入れと、沢山のアイデアを詰め込んだ作品になっていますので、皆さん是非楽しみにしていてください。
で、で、で。
話を本題に戻しますが…お待たせしました、主人公の話です。
ゲームにとってキャラクターは欠かせない魅力の一つです。
特に主人公ともなると、その役割は非常に重要ですよね?
魅力の無いキャラクターと一緒に何十時間も、冒険やスリルを共感出来るはずがない。
これは、当たり前のことです。
だからゲームを作るとき、全てのクリエイターがこの行程にもがき苦しむ訳です。
もちろん僕も同じです。
毎回毎回、本当に頭が禿げるくらいに苦しみます!
特に今回は、主人公像を決めるのに非常に苦労しました。
というのも、前作[Spy Fiction]を作り終えて、次に何かしたいと考えている時に、何となくですが、もっと”現実感”のあるものを…という考えが頭の片隅にありました。
曖昧な言葉で、非常に申し訳ないのですが、他に言いようがないので、”現実感”と呼ばせてください。
[Spy Fiction]では、エンターテインメント性を追求するあまり、荒唐無稽な演出やストーリー、過剰な心的外傷、閉ざされた人間関係を主軸にゲームを構築したため、企画当初に想像していたよりも子供っぽい仕上がりになってしまいました。
当時としては、その時点で僕の実現出来る最高傑作でしたが、成長して振り返ってみると反省も多いのです。
そこで、今回はもっと”現実感”を感じられるように、いろいろな部分で配慮をしながら主人公像を作り上げる必要があったわけです。
一口に”現実感”と言っても、キャラクターを作り上げるためには、様々な要素があります。
その中で、今回、僕が特に気にして創作したのは以下の4つ。
- まずはビジュアル
- 次に性格、人間性
- そして環境(現代だけでなく、過去や経験も重要)
- さらにギャップ
これを"Francis York Morgan"に当てはめてみると…
・ビジュアル
年齢33歳。
男っぽい格好良さをにじませる、中年一歩手前のいい男。
体格が良く短髪だが、インテリジェンスを強く感じさせる印象。
トレードマークはスーツ姿で、香水を付けている。
・性格、人間性
なんでもストレートに話す。
なんにでも興味を持ち、観察力、洞察力に優れるが、
人の感情(特に好意)を読むのが苦手で、友達が少ない。
一件プロファイラーには向かない性格にも思えるが、
感情に左右されない分、正確なプロファイリングを可能にしている。
・環境
FBI特別捜査官。
数々の難事件を独自の捜査方法で解決し、組織内での信頼も厚い。
が、上記の性格から友と呼べる仲間は少なく、孤高の天才と言える。
また、過去に恐ろしい事件で両親を亡くしており、
心には大きな傷を負っている。
・ギャップ
ハードボイルドな印象の見た目とは裏腹に、
映画とカートゥーンのオタクで特に「トムとジェリー」が大好き。
また、理性的な発言とは裏腹にスポーツカーを乗り回したり、
美味しい食事に出会った時に大げさに感動したりする子供っぽさを
持ち合わせている。
と、こんな感じです。
何となく、本作の主人公像が見えてきましたか?
”現実感”を取り入れつつも、魅力的なキャラクターになっていそうな予感がしませんか? ね? ね?
…でも、主人公として成立させるためには、まだ何か足りないんです。
サブキャラクターならコレでも十分なのですが、僕はいつも主人公にだけは特別なエッセンスを加えるよう配慮しています。
キャラクター作りの最後に、主人公にだけ必要なもの…それは”虚構”です。
具体的には、ユーザーがキャラクターの真似をすることが出来るように、「決めポーズ」や、「決め台詞」を必ず入れるようにしています。
これにより、キャラクターは”設定された一人の人物”から、”物語の主人公”へ昇華されると考えているわけです。
「現実には、そんな奴いねーよ!」とか言われても、問題ありません。
”現実”ではなく、”現実感”というのがポイントなんです。
今回の主人公"Francis York Morgan"にも、印象的な「決めポーズ」と「決め台詞」を用意しました。
是非、製品での仕上がりを楽しみにしていてください。
まあ、まだ発売前なのでこれ以上のネタばらしは控えますが(かなり話してますが…)、あとは発売日までじっくり想像をふくらませておいてください。
今回は、第1回目ということでかなり気合いを入れて話してしまいました。
こんな風に主人公像を一つ決めるだけでも、すごく苦しんで、でも楽しく頑張ってるんだよ!ってことが少しでも皆さんに伝われば幸いです。
ちょっと長かったですか?
まあ、そう言わずに今後ともお付き合いください。
この後も、何度かブログの更新は続きます。
では、また次回の更新にて。
October 31, 2009 (Halloween) SWERY
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