「Game Developers Magazine」Post Mortem(事後分析)第6回
※以下の内容は日本語の原文となりますので「Game Developers Magazine」の英語訳と一部異なる場合があります。
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最後に最も上手く行かなかったことは、スケジュールコントロールであったと言えます。ディレクターとしてクォリティと進行の両面をハンドリング出来ることが理想ではあるのですが、当時の僕にはそれは非常に難しく、困難でした。
必要以上に時間を掛けて、必要以上の苦労を開発スタッフに与えてしまったと反省しています。もちろん前述のように技術力不足によるスケジュール遅延もあるにはありましたが、それでも、全体を見渡している僕自身の責任が一番重いでしょう。こだわり尽くして、魂を込めて作品を作ったことは、僕自信否定するべくも有りません。それはむしろ良いことでしょう。
しかしながら、それを実現するためにはスタッフのモチベーションコントロールも重要であると言うことです。作業に忙殺され、一途に制作活動に盲従していたため、周囲のスタッフの顔が見えなかったのです。だからこそ、生まれた作家性の高い作品でもありますが、今後はその両方を実現できるような道を探して、創作活動を続けたいと思います。
長い制作期間と、プロジェクトの凍結など多くの困難を乗り越え、なんとかユーザーの皆さんへ作品を届けることができました。この作品に出会い、制作を通じて学んだことは
「決して諦めないこと」
当たり前のことですが、成すべき事を信じて、成さなければ、結果は生まれないと言うことです。もちろん商業的には決して大成功したとは言えない作品ですが、それ以上にスタッフの成長や、絆、関係各社様との関係性を作り上げてくれた大切な作品です。ここがゴールではなく、スタート地点として、我々は次のステップの開発を目指していきたいと思います。
ヨーク:
「なあ、ザック。 この先私たちの進む道には何が待ち受けているんだろうか…
いや、答えなくてもいいよ。人生には困難はつきものだ。だからこそ楽しめる。
そうだろう、ザック。」
以上、みんな、愛してる!!
○ソースコードの総ライン数 568700行 | |
=君にはこの数字の意味がわかるかい? ザック、私にはさっぱりだよ。 | |
○リソースデータの総容量 263GB | |
=子供の頃に遊んだゲームの容量は1MBに満たなかった。 すごい時代になったものだ。 | |
○シナリオの全文字数(英文) 229619文字 | |
=この数字が多いのか、少ないのか。 私にはさっぱりわからないよ。私はおしゃべりかい? | |
○そのうちザックと呼んでいる回数 939回 | |
=ザック、私にとって君はかけがえのない存在のようだ。 | |
○バグの総数 8691個 | |
=バグ…MIBに出てくる宇宙人がそんな名前だった。 あいにく本当のFIBに彼らは居ないがね。 | |
○連続不眠作業時間 96時間 | |
=私も時には捜査で眠らないことがある。 しかしそんな時は得てしてうまくいかないものさ。 | |
○プロジェクト終了の危機 4回 | |
=ザック、あやうく私の捜査も打ち切りになるところだったんだ。 | |
○ディレクターがブチ切れた回数 9740回 | |
=延べ日数1948日間 ×1日に5回 ジョージのように怒りっぽいヤツだ。 | |
○ディレクターが泣いた回数 1回 | |
=時には泣きたいこともある。そうだろう?ザック。 | |
○ディレクターが髭を剃った回数 649.33回 | |
=延べ日数1948日間 /3日に一回 あまり髭が伸びないのか・・・ 経済的でうらやましいよ。 | |
○開発中に見た映画の本数 67本 | |
=3週間に1本のペースじゃないか、 うらやましいかぎりだよ。ザック。 | |
○チームで消費された珈琲の量 3806.75ガロン | |
=(250cc×40杯×313日×4.5年=14085㍑ /3.7㍑) 私と良い勝負じゃないか。 | |
○チームで消費されたたばこの量 338040本 | |
=(40本×6人×313日×4.5年=338040本) 思ったよりも少なかったな。時代かもしれない。 | |
○チームで消費された七面鳥の量 4羽 | |
=4回のクリスマスをまたいだって意味だ。わかるだろうザック? | |
○取材で移動した距離(飛行機抜き) 3230Km | |
=私たちの捜査にくらべれば大したことないな。ザック。 | |
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「Game Developers Magazine」 Post Mortemはこれで最終回となります。
最後までご覧くださり、大変ありがとうございました。
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