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2010年12月

2010年12月24日 (金)

Merry Christmas 2010!!

皆さま、Merry Christmas!!

本日はクリスマス・イヴです。

私、SWERYはキリスト教徒ではありませんが、なんとなく年末が華やかになって、みんなが幸せになれるならいいんじゃないかと。
最近はそんな風に思ってMerry Christmas!!と大きな声で言っています。

【Red Seeds Profile/Deadly Premonition】が発売されてからもうかなりの時間が経ちますが、まだまだ多くのファンの方からメッセージをいただき、本当に感謝しています。

毎日、大変な仕事に追われておりますが、とても励みになりエネルギーをもらっています。

まさか1つのゲームのブログで2回もクリスマスを迎えるとは思いませんでした。

ささやかですが開発チームから、クリスマスカードをお送りさせていただきます。

2010_1224

 
ちなみにアメリカでは12月に入ると、最初の週末にツリーを飾ってクリスマスカードを送ります。
"Happy December!!"とかメールをくれる人も居ます。
後は届いたカードをツリーの周りに飾ったりしながら年末を迎えるんです。

なので、このカードは少し遅いかも・・・北米、欧州のファンの皆様、遅くなってごめんなさい。

では、皆様良いお年を。
そして、来年もアクセスゲームズならびに、アクセスゲームズの作品たちをよろしくお願いいたします!!
 ※明日から年末年始休暇っぽい文章だけど、まだちょっとだけお仕事しますw

以上、みんな愛してる!

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2010年12月21日 (火)

【号外】BEST of 2010受賞!! ~北米で各賞にノミネートされました~

皆さま、こんにちは。
【Red Seeds Profile/Deadly Premonition】のディレクターSWERYです。

年末もさし迫り、僕も今年中に仕事を終わらせようと大忙しです。
そんな中、北米よりとんでもないクリスマスプレゼントが届きましたので、ここで報告させていただきます。

12月と言えば、北米ではゲーム・オブ・ザ・イヤーが順次発表される季節です。
 ※日本でもVGAやTIME誌の賞は耳にすることがあると思います

で、それ以外にも各ゲームサイトや雑誌、メディアなどでトップ10や、ゲーム・オブ・ザ・イヤーなどが発表されます。

そんな中、かなり規模の大きなアワードになりますが"Game Spot BEST of 2010"と言うものがあります。

そこで、なんと・・・ありがたいことに【Deadly Premonition】が"Most Surprisingly Good Game"※もっとも驚かされたゲーム部門にて、Editor's Choice(編集者投票)を受賞することができました!!!

2010_1221_01

 
 
ま、ま、ま・・・マジですか!?

今日は朝からテンションが上がりっぱなしで仕事も手に付きません。
珈琲をすすっては、トイレへ行く・・・そんなこんなで、もう夕方になってしまいました。

これもひとえに応援してくださった、ファンの皆様、関係各位、ほんと色々な人たちのご協力と愛と、応援があったからこそ。

皆様、本当にありがとうございました。

 
なお、現在Reader's Choice(読者投票)を、絶賛投票受付中となりますが、他にも5部門でノミネートされました!

 
2010_1221_02

 
 1:Most Surprisingly Good Game
    ※もっとも驚かされたゲーム部門

 2:Best Story
    ※ベストストーリー部門

 3:Best New Character(Francis York Morgan)
    ※ベスト新キャラクター部門/フランシス・ヨーク・モーガン捜査官

 4:Funniest Game
    ※もっとも楽しい!ゲーム部門

 5:Most Memorable Moment(Shower murder)
    ※もっとも印象深いシーン部門/ベッキー・エイムズ殺害シーン

 
 
2011年1月10日にリーダーズチョイスとして皆さんの投票によって選ばれるゲームが決定します。
下記、もしよろしければ投票お願いいたします!!!

http://www.gamespot.com/best-of-2010/

 
 
以上、みんな愛してる!

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2010年12月20日 (月)

【号外】UKにてX360ベスト10に入賞!?

皆さま、こんにちは。
【Red Seeds Profile/Deadly Premonition】のディレクターSWERYです。

ここ最近ですが、タイトルに【!?】をつけたブログばかり書いている気がします。
でも、それほど信じられないというか、驚く事ばかりが起こっているのが実情で、なんというか煽るような感じでとらえられてしまっていたら、ごめんなさい。

他意はなく、本心から驚き、また感謝して本ブログをしたためております。

表題の件ですが、UKのElectronic Theatreというサイトにて、Xbox360の5周年を振り返るという企画がありまして、その中で「Top Ten Xbox 360 Exclusive Games」というのが発表されました。

直訳すると「Xbox360オンリー販売のゲームでトップ10」という意味。

で、その中で、我が【Red Seeds Profile/Deadly Premonition】ですが・・・なんと8位入賞することができました!!

マジ??

はい、マジなんです。

2010_1220_03

入賞理由は・・・安い費用で作ったゲームがカルトな信者を得た。
その成功について、学ぶところは大いにあるだろう。みたいな感じでしょうか。
ありがとうございます。

今後も、ユーザーの皆さんが納得し、良い経験をした。と言えるゲームを作っていけるように頑張りたいと思います。

原文はこちらですので、お時間のある方はお楽しみください。

Electronic Theatre Sunday Special: Top Ten Xbox 360 Exclusive Games
http://electronictheatre.co.uk/index.php/articles/weekly-features/108-sunday-special/6626-electronic-theatre-sunday-special-top-ten-xbox-360-exclusive-games

以上、みんな愛してる!

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2010年12月17日 (金)

「Game Developers Magazine」Post Mortem(事後分析)第6回

※以下の内容は日本語の原文となりますので「Game Developers Magazine」の英語訳と一部異なる場合があります。
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Gdmp_026

最後に最も上手く行かなかったことは、スケジュールコントロールであったと言えます。ディレクターとしてクォリティと進行の両面をハンドリング出来ることが理想ではあるのですが、当時の僕にはそれは非常に難しく、困難でした。

必要以上に時間を掛けて、必要以上の苦労を開発スタッフに与えてしまったと反省しています。もちろん前述のように技術力不足によるスケジュール遅延もあるにはありましたが、それでも、全体を見渡している僕自身の責任が一番重いでしょう。こだわり尽くして、魂を込めて作品を作ったことは、僕自信否定するべくも有りません。それはむしろ良いことでしょう。

しかしながら、それを実現するためにはスタッフのモチベーションコントロールも重要であると言うことです。作業に忙殺され、一途に制作活動に盲従していたため、周囲のスタッフの顔が見えなかったのです。だからこそ、生まれた作家性の高い作品でもありますが、今後はその両方を実現できるような道を探して、創作活動を続けたいと思います。

 
 
 
Gdmp_027

長い制作期間と、プロジェクトの凍結など多くの困難を乗り越え、なんとかユーザーの皆さんへ作品を届けることができました。この作品に出会い、制作を通じて学んだことは
「決して諦めないこと」
当たり前のことですが、成すべき事を信じて、成さなければ、結果は生まれないと言うことです。もちろん商業的には決して大成功したとは言えない作品ですが、それ以上にスタッフの成長や、絆、関係各社様との関係性を作り上げてくれた大切な作品です。ここがゴールではなく、スタート地点として、我々は次のステップの開発を目指していきたいと思います。

ヨーク:
「なあ、ザック。 この先私たちの進む道には何が待ち受けているんだろうか…
いや、答えなくてもいいよ。人生には困難はつきものだ。だからこそ楽しめる。
そうだろう、ザック。」

以上、みんな、愛してる!!

 
 
 
 
Gdmp_028

○ソースコードの総ライン数       568700行
Gdmp_030  =君にはこの数字の意味がわかるかい?
  ザック、私にはさっぱりだよ。
 
○リソースデータの総容量          263GB
Gdmp_031  =子供の頃に遊んだゲームの容量は1MBに満たなかった。
  すごい時代になったものだ。
 
○シナリオの全文字数(英文)      229619文字
Gdmp_032  =この数字が多いのか、少ないのか。
  私にはさっぱりわからないよ。私はおしゃべりかい?
 
○そのうちザックと呼んでいる回数      939回
Gdmp_030  =ザック、私にとって君はかけがえのない存在のようだ。
 
○バグの総数                 8691個
Gdmp_032  =バグ…MIBに出てくる宇宙人がそんな名前だった。
  あいにく本当のFIBに彼らは居ないがね。
 
○連続不眠作業時間              96時間
Gdmp_030  =私も時には捜査で眠らないことがある。
  しかしそんな時は得てしてうまくいかないものさ。
 
○プロジェクト終了の危機             4回
Gdmp_031  =ザック、あやうく私の捜査も打ち切りになるところだったんだ。
 
○ディレクターがブチ切れた回数      9740回
Gdmp_032  =延べ日数1948日間 ×1日に5回
  ジョージのように怒りっぽいヤツだ。
 
○ディレクターが泣いた回数           1回
Gdmp_030  =時には泣きたいこともある。そうだろう?ザック。
 
○ディレクターが髭を剃った回数      649.33回
Gdmp_032  =延べ日数1948日間 /3日に一回 あまり髭が伸びないのか・・・
  経済的でうらやましいよ。
 
○開発中に見た映画の本数          67本
Gdmp_031  =3週間に1本のペースじゃないか、
  うらやましいかぎりだよ。ザック。
 
○チームで消費された珈琲の量     3806.75ガロン
Gdmp_030  =(250cc×40杯×313日×4.5年=14085㍑ /3.7㍑)
  私と良い勝負じゃないか。
 
○チームで消費されたたばこの量    338040本
Gdmp_031  =(40本×6人×313日×4.5年=338040本)
  思ったよりも少なかったな。時代かもしれない。
 
○チームで消費された七面鳥の量       4羽
Gdmp_032  =4回のクリスマスをまたいだって意味だ。わかるだろうザック?
 
○取材で移動した距離(飛行機抜き)   3230Km
Gdmp_030  =私たちの捜査にくらべれば大したことないな。ザック。
 

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「Game Developers Magazine」 Post Mortemはこれで最終回となります。

最後までご覧くださり、大変ありがとうございました。

スタッフ一同

Gdmp_029

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2010年12月15日 (水)

【号外】UKでのレビュースコアがどえらいことに!?

皆さま、こんにちは。
【Red Seeds Profile/Deadly Premonition】のディレクターSWERYです。

年末へ向けて急に気温が下がったので、皆さん風邪などひかないようにお気をつけください。

ここ最近、思い出したように更新を続けております本ブログですが、今日もプチ情報をお送りいたします。

タイトルの通り、【Deadly Premonition】の欧州版に関するUKの評価ですが・・・どえらい事になっています。レビューを読み進め、スコアを見た瞬間は、一瞬何が起こったのかわかりませんでした。

最初はレビューを書いていただいた日付かと勘違いしたほどです。

2010_1213_01

わかりますか?

では、わからない方のために拡大します。

2010_1213_02

そう・・・なんと10点(満点)を超えて、11点が付いているのです!!!

もうね、なんというか、乾杯ですよ。
乾杯するしか無かったです。

本当に、本当に、こんなにも【Deadly Premonition】を愛していただきありがとうございます。

何度も壁にぶつかりながらも、最後まであきらめなくて本当に良かったです。

評価してくださったのは、NTSC-UKというサイト。
遊んでいただきありがとうございます。

原文はこちらですので、お時間のある方はお楽しみください。

Deadly Premonition / Red Seeds Profile review
http://www.ntsc-uk.com/review.php?platform=360&game=DeadlyPremonition

以上、みんな愛してる!

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2010年12月13日 (月)

【号外】”贖罪のサンド”完食コンテスト!?

皆さま、こんにちは。
【Red Seeds Profile/Deadly Premonition】のディレクターSWERYです。

少し前の事になりますが、北米のホラー系ゲーム専門サイトHellDescent.comさんにて、「贖罪のサンド完食コンテスト」なるものが催されました。

発売からもう随分経ちますが、多くの方々に楽しんでいただけているようで本当になによりです。

では、ここで、そもそも”贖罪サンド”を知らないひとのために、少しだけ補足しますと・・・

【Red Seeds Profile/Deadly Premonition】のゲーム中に登場するエピソードの一つで、主人公のフランシス・ヨーク・モーガン特別捜査官が、ダイナーにて聞き込みをするシークエンスがあります。

その際に、グリーンベイルの町に住む大富豪のハリー卿が頼む特別メニューが「贖罪サンド」と言うわけです。
 ※英語では”Sinner's sandwich”
http://www.google.com/search?hl=ja&lr=&ie=UTF-8&oe=UTF-8&num=50&q=Sinner%27s+sandwich

その中身は、ターキーサンドをベースに、イチゴジャムとシリアルを神的配合でサンドしたという・・・一瞬聞くと「え!?」という料理なのですが、実際に食べてみると・・・。

はい。あとは製品かプレイ動画などでお楽しみください。

で、今回の「贖罪のサンド完食コンテスト」ですが、実は良くわかりません(笑)
なんか、引っ張るだけ引っ張って、良くわからないという放置プレイでスイマセン。

でも、とにかく面白いので、お時間のある方は以下の優勝者のビデオを見てお楽しみくださいませ。

Sinners Sandwich Challenge Winning Video
http://www.facebook.com/video/video.php?v=466362758525

以上、みんな愛してる!

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2010年12月10日 (金)

「Game Developers Magazine」Post Mortem(事後分析)第5回

※以下の内容は日本語の原文となりますので「Game Developers Magazine」の英語訳と一部異なる場合があります。
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開発当初は物理エンジン(NVIDIA Physx)の採用により、今まで経験した事の無い、エキサイティングな世界を構築出来るものと確信していました。事実、それが本タイトルに寄与した部分は大きく、登場する様々な車両の挙動や、互いに影響し合う設置物、キャラクターの髪の毛の揺らぎ等、新しい世界を垣間見る事が出来ました。

しかしながら、決して良い事ばかりではありませんでした。そのリアルな物理挙動をゲームの世界に持ち込み過ぎた為、その挙動自体に私たちが振り回されてしまう事も多々ありました。

ゲームの世界は嘘を付かなければならない事が往々にしてありますが、物理挙動は正直なものです。デモシーンにおけるキャラクターのギミックの挙動や、車両の正確なナビゲーション等、都合の良いように嘘を付かなければならない局面において、物理挙動は相反するものでした。

制作過程において、私たちが期待する挙動にならない事が多く、上手く見えるようパラメータを調整する作業は難航を極めました。特にキャラクター周りについては、モーションデータを修正する度に物理挙動が変わってしまい、前回までOKだったものが修正後に途端にNGとなる等、予想外の展開になる局面も多々ありました。そういった現象はゲームプレイ中は勿論の事、各デモシーンにも及び、その修正作業には膨大な時間を要する結果となりました。

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また、物理演算の処理負荷が予想以上に高かったという事も大きな誤算でした。当初、キャラクターの髪の毛や衣類、飾り等、物理エンジンで表現可能なものは全て搭載してしまった為、ゲームプレイにおいて快適な環境を提供する事が出来ませんでした。個々の動きを追及するあまり、全体の処理バランスを見失ってしまっていた、と言えます。

その結果、一定のフレームレートを保持する為、物理アクターの削減やシーン毎の計算負荷の調整等、最適化作業を行う必要が出てきましたが、本タイトルの特徴である「自由度の高さ」が逆に仇となり、様々なケースを想定した調整を行わなければなりませんでした。その期間は長期に及び、前述した挙動調整との兼ね合いから、多大な時間と労力を割く結果となりました。

物理挙動はゲームの世界にダイナミックな表現を与えてくれますが、必ずしも全てにおいて必要ではなく、使いどころを正確に見極める事が重要だと感じました。

 
 
 
 
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前述のとおり、本作でBGM、ボイスアクターに関しては、うまくいったという手応えはありましたが、SE/5.1chサラウンドに関しては成功したとは言えませんでした。次世代ハードということで、グラフィックのスペックだけではなく、サウンドのスペックも向上し、表現の幅が広がるという魅力はありましたが、当時の我々では、ハードが持つポテンシャルを最大限に引き出すことはできませんでした。

この失敗を生み出した要素として、元々のサウンドリソースのクオリティーの問題もあるとはいえ、1番の問題は、アクセスゲームズにサウンド部署がなかったことが挙げられます。弊社では、サウンドをすべて外部の協力会社に委託しているため、社内でのサウンドに対する技術力、知識が足りず納得いくクオリティーコントロールがうまく出来ませんでした。また、その問題を看過して、協力会社を含めてマンパワーを補填する努力さえも怠っていたと言えます。

もちろん社内にサウンド部署を持たない開発会社であっても、クオリティーの高いサウンドを提供している作品はたくさんあります。他の作品のサウンドを研究し、本作で良いサウンドを表現するにはどうすればよいか?ということを、もっと議論して導き出すべきで、我々は自分たちの欠点に対して、改善しようとする施策を可能な限り考えるべきだったと思います。しかしながら、ボイスオーバー、BGMに力を入れるあまり、結果的に作業プライオリティとして、サウンドエフェクトという点が低くなってしまっていたということは事実ですし、非常に反省すべき点です。

なぜならば、BGM・サウンドエフェクト(SE)・ボイスなどゲーム中に再生される音の全てが重要でそれらが1体となって初めて「サウンド」と称することができるからです。

今思えば、スケジュール/マンパワーの精査なども含め、問題が大きくなる前に何か手が打てたのでは無いかと思います。ゲーム制作現場では、問題を起こさないことも重要なファクターですが、発生しうる問題や起こってしまった問題に対して、最善で解決できる方法をスタッフと導き出すことが最重要ということを改めて感じることが出来ました。

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次回 12月17日公開予定
 ・スケジュールコントロールとモチベーション維持
 ・結論
 ・データボックス②

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2010年12月 3日 (金)

「Game Developers Magazine」Post Mortem(事後分析)第4回

※以下の内容は日本語の原文となりますので「Game Developers Magazine」の英語訳と一部異なる場合があります。
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5つの“誤”-開発でもっと上手く出来たであろうこと-

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当初、次世代機開発への挑戦ということもあり、今までのコンシューマにはない膨大なメモリ量に感動しながら開発を開始しました。そのため、それが過信を生んでしまい、データ量の算出が甘くなるという最悪の結果を招きました。

その状態でのメモリ配分作業は非常に危険でしたが、その危険度を認知できないまま制作を進行してしまい、最終的にはメモリの残量との格闘になりました。特にモーションデータについて、それが如実に反映されてしまい、非常に膨大なデータがメモリ上を占拠する形となり、後々のシステム改造にまで発展しました。

他にも、屋外の処理に関しては、設置されているオブジェクト数が非常に多く、それら全てをうまく処理できませんでした。特に樹木の処理が非常に困難でした。

かといって、設置されているオブジェクトを減らしすぎると、広大な屋外に対してのオブジェクト設置数があまりにも少なくなりすぎるために、世界観と処理の最適化を常に考えながら作業しなければならない状態でした。

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また、ヒットチェックに関しても、同様に、対象が非常に多くなってしまったため、処理速度低下の大きな要因となり、こちらも判定を最適化する等、最後まで念入りな調整が必要となりました。

ライティング、影の項目にも書いていますが、これらも処理に大きく影響しました。処理全体を通して、常に最適化を行わなければならなくなり、作業時間的にも大きくロスしました。

他に同様のものとして、水の波紋演出、屈折演出、鏡面演出等の描画処理が上げられます。スキルアップとして考えれば、非常にためになる内容だとは思いますが、開発として考えた場合は、大きなミスだと言えるでしょう。全体的な影響を考えても、この項目が最も上手く行かなかった一つであることは、言うまでもありません。

 
 
 
 
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次に、本作ではシェーダーを使用できるということで、様々なライティング処理に挑戦しました。具体的には、フラットライティング、ポイントライト、スポットライト等のリアルタイム処理です。しかしながら、計算処理を非常に真面目に行ってしまったために、処理速度の激しい低下を招きました。

さらに悪いことには、様々なライティング手法をそのままゲーム中に使用する前提でデータフォーマットが策定されていたために、テクスチャでのライティング演出等が全く行われず、後のデータ修正に大きな影響を与えました。

ポイントライトとスポットライトは、描画処理速度が非常に重く、それでいて屋内の明るい場所(ダイナー等)では、これらのライトが大量に使用されていたこともあり、ライトの位置や総量の調整だけでなく、元のリソース自体の修正にまで発展しました。

影の扱いについても同様に苦労がありました。屋外でのフラットライティングでの影、屋内でのポイントライトでの影、特定箇所で使用されるスポットライトの影、これらを実装して行く過程において、処理速度との激しい闘いがありました。広大な屋外での影処理は、影処理の対象となるオブジェクトが非常に多く、遮蔽物も少ないために、美麗な影をきっちりと描画する必要がありました。しかしながら、それだけ美麗な影を生成するためには、莫大なVRAMが必要になり同時に処理速度も激しく低下する結果になりました。

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PSM・LSPSM・カスケードLSPSM等、様々な技法を試して調整するという繰り返し作業となってしまい、多くの作業時間が割かれました。結局、美麗な影ではなく、ある程度妥協したものになってしまっただけでなく、ほとんどのリソースを修正するという事態に陥ってしまいました。

また、屋内の影に関しても、オブジェクトが複数の光源内に存在した場合、重複した影処理となってしまうため、激しい速度低下を招く原因となりました。

他にも、キャラクターのセルフシャドウが同様の結果となりました。セルフシャドウは、画面上で非常に目に付く可能性があるので、美麗に描画しようと試みましたが、美麗さを求めれば求めるほど、処理速度とVRAMを奪っていくため、ジッターテクスチャ等を使いつつ微妙なバランスで作業しなければなりませんでした。このあたりは今では当たり前の開発スタイルですが、当時はノウハウが無く非常に苦労してしまったのです。

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次回 12月10日公開予定
 ・物理エンジンの使いどころ
 ・SEとサウンドについて

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