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2015.06.15

SWERY interview / The Metropolist

ご来店ありがとうございます。cafe

今回お届けするのはSWERYインタビュー2015年 第6弾。
2015年6月4日に掲載された、D4』PC版に関するThe Metropolistのインタビュー記事の和訳です。

SWERY流シナリオの書き方とは?

是非、ご覧ください!

Thank you for stopping by!

Today, we bring to you the 6th installment of SWERY's 2015 Interviews!

This is the Japanese translation of the The Metropolist interview regarding the PC version of D4, which was published on June 4, 2015.

What does it mean to write a SWERY style script?
Please check it out!

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The Metropolist.

INTERVIEW: SWERY, Writer/Director of D4

リンク:http://www.themetropolist.com/play/latest-play/interview-swery-writerdirector-d4/

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Interviewer : James Reith

06.4.2015

インタビュー:D4のシナリオライターにしてディレクターのSWERY

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SWERY(あるいはSwery65、もしくは単に末弘秀孝氏)は、3つの名前を持つ創造的なクリエイターだ。彼は2010年に発売されたDeadly Premonitionでカルト的な人気を集めた。そのゲームはあまりにも評価が分かれたため、ギネス記録にも認定されたという。続いてSWERYが世に送り出した作品がD4: Dark Dreams Don’t Dieだ。このゲームは元々MicrosoftのKinectを中心に作られたタイムトラベル系のミステリーアドベンチャーゲームで、Xbox One版はMicrosoftから独占タイトルとして発売された。残念なことに、その後D4はXbox Liveストアの隅に追いやられてしまった。なぜならば、SWERYが以前指摘したように、D4がもう発売されたというのに、ファンや他のディベロッパーが「いつ発売されるの?」と聞いてきたほど、マーケティングの結果があまり芳しく無かったからだ。続編が発売されるかどうかはファンの反響によって決まるというのに、売上が予想に反していたのか、ゲームの将来は絶望的に見えた。

D4のゲームデザインは、SWERYがいろんな感覚をユーザーに再現させるという「感覚再現」を目標にしていた。GDC 2015の講演では、Xbox OneのKinectがどのようにして感覚再現の実現を手助けしたかという話や、マウスやタッチパネルなど他の入力装置でもそれが可能だということについて語った。その理論を証明するため、SWERYがKinect機能のないD4のPC版を作り、その成果をGDCとPAX Eastで見せたところ、それに対するファンの反響があまりにも大きかったので、PC版を発売することに決めた。意外なことに、「WindowsはXbox Oneの競争相手ではない」という理由で、Microsoftもその販売を許可した。PC版のリリースはMicrosoftにとっても嬉しい出来事だったのだろう。しかし、MicrosoftはPC版のパブリッシャーとはならなかった。

幸い、インディーゲームのパブリッシャーであるPLAYISM が手を挙げた。さらに、新しいエピソードについての噂もある。そして今回、PC版が明日発売(※訳注:6/4当時の記事)されるにもかかわらず、SWERYが食べ物、トム・クルーズ、そして時々D4について話してくれた。

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1. D4とKinectで試みた感覚再現がマウスとキーボードでも可能ということについてはもう既に話されていますね。それを証明するためにPC版が作られたという事実もあります。それ以外では、プラットフォームというものは、どういう風にゲーム体験に影響すると思いますか?

SWERY:

まず前提としてプラットフォームがゲーム体験を決めるのではなく、ゲームデザインとクリエイターの信念がゲーム体験を決めると言えます。同じプラットフォームを使っていても、様々なゲーム体験が存在することがその証明と言えるでしょう。

その前提において、プラットフォームや入力デバイスはゲーム体験を具現化するための様々な方法論として機能しています。この方法論の選択を間違えると、作りたいゲームデザインと、それを具現化するためのデバイス入力の仕様がちぐはぐとなり、良いゲーム体験を与えることが出来ません。

ですから、我々ゲームデザイナーは、体験させたいゲームの骨子をシンボル化して、それを各プラットフォームごとに調整して実装していく訳です。

 

2. D4のシナリオはどうやって思いついたのですか?

SWERY:

真面目に回答するなら、日々の観察と、終わる事なき勉強、そして強烈なプレッシャーをはねのけるための努力を継続した結果です。

いや、ホント。それしかない。

僕がシナリオを書いている姿は、まるで手負いの野生動物です。

真剣に鼻血が出るほどパソコンの前にかじりついて、左手の小指が変形するほどキーを打って、胃に穴が開くほどコーヒーを飲んで、同僚に心配されるほど情緒不安定になって、バランスボールに乗って、机を蹴って、電気を消したり点けたりして、泡風呂に入って、酒を飲んで、ウロウロして、猫と戯れて、ペンを20本も使い切るほどメモをして、読んだ本を破いてみたりして・・・

そんなこんなで8ヶ月くらい苦しみ抜いて書き上げました。

 

3. D4の制作では、ネット上で流行るようなネタ(ミーム)を入れるように、書き直し依頼が来たと言っていましたね。元々のシナリオは最終版のシナリオとどれぐらい違っていたんですか?

SWERY:

ど・・・どこで、そんな話を聞いてきたんですか?(笑)

色々と僕の発言を詳しくご覧になっていますね、ありがとうございます。

今回はDeadly Premonitionの時と違って、僕のシナリオについて、非常に多くの方がレビューをするというプロジェクトだったため、とても、とても、とても苦労しました。

トータルで7回の書き直しと、ボリューム調整を行い、今に至ります。

しかし、その結果、自分でも思ってもみなかったような物語が書けたと思っています。

元のシナリオから「過去は変えられるのか?」というミステリーの骨子は変わらず、それを表現する手法や、周辺の小さな辻褄、気配り、キャラクター性が修正されていった感じですね。中には人種の変更を余儀なくされたキャラクターも居ますし、性別が変わったキャラクターも居ます。

でも結局、僕が書くので僕自身が表現したいものを逸脱することはない、書きたくないものは書けない。ということです。

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4. よく言われるツインピークスとの類似点以外にも、Deadly Premonitionの各シーンや詳細はSWERYさんご自身の人生と旅に基づいているらしいですね。D4にも、SWERYさんご自身のネタが入っていますか?

SWERY:

実際にボストンへ取材にいった経験は事細かに活かされています。ケイスンとヤングの会話は実際にボストン市警とブルックライン警察で取材した内容を元に書かれていますし、出てくる料理も実際に食べたものが殆どですね。

まあ、かなり誇張していますが。

それに、エピソード2でアマンダとの格闘シーンで彼女が家の中のモノを投げるのは、実体験が元になっています。女性は怒らせると怖いんですよ。

あ、飛行機での落雷は、まだ、経験が無いですね。

 

5. D4では、各キャラクターと話すとき、色々な台詞を選択できます。そしてヤングらしく振舞うとシンクロ率が測られます。なぜこういう要素を入れたんですか?

SWERY:

D4のメインストーリーは一本道です。そこでDeadly Premonitionの時に思いついた、寄り道による自由度、捜査を進めるタイミングの自由という理論を転用しています。

それを発展させ、少しだけの『たられば』を入れたのが、シンクロ率というシステムです。僕は2011年のGDCで、「ユーザーに自由を与え、彼らの行動を承認してあげれば、ユーザー側から自然とゲームの世界観に対して合わせようとしてくれるようになる」と述べました。

ですから、D4にも多くの寄り道要素が存在し、メインストーリーだけでは知り得ない情報が沢山用意されています。僕は物語ではなく、場所と時間を作ったつもりだからです。

で、何が言いたいか?と言うと、上記の自由度と、シンクロ率という目に見える評価の二つの要素があれば、ユーザーはよりゲームの世界に自ら歩み寄ってきてくれるのではないか?と考えました。シンクロ率100%を目指そう!=ヤングになりきろう!という具合にです。

実際にそれが上手くいったか?はデータを取ってみないとわからないことですが、僕的には「ゲームの評価と、ゲームの世界をシンクロさせる」という実験的で、挑戦的な試みだったつもりです。

 

6. テレビと映画に興味があると思うのですが、なぜテレビや映画の監督よりゲームを選ばれたのですか?

SWERY:

教科書的に答えると、

映像による受動的な体験と、自ら入力して動くという能動的な体験の二つがゲームには存在しているからです。となりますが・・・

本当は大学の卒業時に、僕のシナリオを見てくれていた某映画監督の教授から映画の世界へお誘いいただいたのですが、「俺の下で10年修行して、頑張れ!」と言われ、「10年は長いな~、やだな~」と思ったのが切っ掛けです。

そのおかげで、ゲーム業界に入ってすぐに月華の剣士(The Last Blade)の物語を担当させてもらえることになり、「ゲーム業界って最高!」と、どんどんこの仕事にのめり込んでいきました。

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7. 捜査をするキャラクターを、主役としてよく使う理由はありますか?

SWERY:

ディレクション作品では、そのような印象があるかもしれませんが、今までの経験でいうと決して多いわけではありません。

戦いの中に身を投じている剣士や戦士、特殊部隊隊員、平和を愛する野生児、スパイ、ロボット、武将、勇者なんかも取り扱ってきました。

ただ、最近の作品で謎を追いかけるものが多くなったのは、物語の奥底に人間ドラマを描きやすいことが理由にあるかもしれません。

戦争や世界平和、侵略、宗教、民族紛争、世界滅亡や、伝説の勇者、歴史の英雄、スペースオペラなどといった、壮大なスケールで描かれる物語よりも、人間の内面にある感情や、ドラマを描きたいという根源的な欲求があります。

 

8. 一番好きな探偵は誰ですか?

SWERY:

ジェレミー・ブレットのシャーロック・ホームズか、古谷一行の金田一耕助です。

変わり種では映画「スパルタンX」に出てくるサモ・ハン・キンポー演じる探偵モビーも好きなキャラクターです。

あとは探偵じゃないけど、ピーター・フォークのコロンボは別格。

 

9. SWERYさんのゲームには食べ物と飲み物が何度も登場し、ゲームの一部として機能しています。SWERYさんの作品における食べ物の重要性について、説明していただけますか?

SWERY:

「食文化」という言葉があります。

僕は作品を作るとき、その舞台を非常に大切にします。

舞台があって、そこに生活している人たちがいて、物語がある。

そのため舞台を表現する手法は全て大切なゲームの要素になります。

その中で特に食文化はとても重要でわかりやすく機能します。

例えば原始時代を表現するため、彼らが何を食べていたのか?を想像すると・・・ワクワクしてきませんか?

核戦争で文明が滅びた地球で生活している未来人なら・・・?

と、これらは世界を構築するために必要不可欠な要素なのです。

もちろん現代劇でも同じ、例えばフランス料理やトルコ料理、中華や和食などは、有名すぎてピンとこないかもしれませんが、自分がレストランで食べている料理ではなく、もっとローカルな、土着の、家庭の、安価な、日常の食べ物に目を向けることで、それらは突然、世界観の中心要素となって機能するはずです。

実際に多くの現代日本人は朝、調理パンや食パンを食べ、コーヒーや紅茶、コーラを飲みます。しかも、おかずに食べるハムエッグにはマヨネーズや七味、醤油をかけるんですよ。知ってましたか?

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10. 一番好きな食べ物と飲み物は何ですか?そして、それはSWERYさんのどういうところを表現していますか?

SWERY:

一番好きな食べ物は「おでん」という日本の煮物です。

甘辛く煮込んだ野菜や、お肉、魚の練り物を熱々の状態で食べる、日本の家庭料理ですね。白米やビール、冷酒、ワイン・・・何にでも合うアメージングな料理です。

ただ、僕のアメリカ人の友人は「なぜ、こんなにウェッティなんだ・・・」と嫌がっていましたが。

ちなみに、人生で一番沢山食べているのはカシューナッツと、ビール、コーヒー、柿の種、レッドブル、クッキー、肉まんだと思います。

 

11. SWERYさんのゲームにはよく男性の主人公が出てきます。女性が主人公のゲームのシナリオを書こうと思われたことはありますか?

SWERY:

今まで自分で書いた企画の立ち上げ当初は、殆ど女性が主人公です。

しかし、市場性などの理由で強制的に男性に変更させられてきました。

スパイフィクションも、キャンセルになったその続編も、Deadly Premonitionも、D4の原案になった物語も、最初は全て女性が主人公の物語でしたね。

おそらく僕の女性に対する憧れや、偏見、愛情、憎悪、尊敬、性表現などが問題となり、なかなか結果に結びつかないのだろうと思います。

今後も挑戦を続けていきたいです。

 

12. D4のシーズン2について話せることはありますか?お願いします。

SWERY:

残念ながら、今はPC版に集中しており、ここでは話すことが出来ません。

僕のTwitter(@Swery65) をじっくり観察しておいてください。

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13. 長い間、SWERYさんはD4のシーズン2があるかどうかということさえ断言されませんでした。PC版が出ることになった現在では、Xbox Oneでの制作が難しかったとしても、PC版で新しいエピソードを作る可能性はありますか?

SWERY:

はは。今も何も断言していませんし、話せることはありませんよ。

ネットの情報や、僕のTwitterを観察してもらうのが、良いと思います。

 

14. インタビューでずっと聞かれたかった質問はありますか?そして、どういう答えを出したいですか?

SWERY:

あなたの聞いてくれた、“この質問”こそがまさにソレ!

ずばり、聞いて欲しかった質問そのものです。

さすが!!

完璧な質問!!

・・・で、この質問に対する答えは

「ったく・・・めんどくせぇ質問だなぁ、おい!」です。

 

15. 最後に、今日はいいアイデアがありましたか?

SWERY:

「トム・クルーズの養子になったら、お小遣いでゲームが作れそうだなぁ」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

以上です。みんな愛してる!!

またのご来店をお待ちしておりますclover

That’s all. I Love You All!!

Please come again!

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