SWERY interview / Destructoid
ご来店ありがとうございます
今回お届けするのはSWERYインタビュー2015年 第4弾。
『D4』PC版に関するDestructoidのインタビュー記事の和訳です。
Thank you for stopping by!
Today, we bring to you the 4th installment of SWERY's 2015 Interviews! This is the Japanese translation of the Destructoid interview regarding the PC version of D4.
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DESTRUCTOID
Swery: D4 on PC is '100 percent bona fide D4'
リンク:http://www.destructoid.com/swery-d4-on-pc-is-100-percent-bona-fide-d4--291461.phtml
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Interviewer : Brett Makedonski
05.07.2015
SWERY 「PC版D4は、100%『D4』を再現できています!」
(D4の面白さは)Kinectに依存しているという訳ではない。
開発者の末弘秀孝(Swery65という名でよく知られている)が、ユニークで奇妙なゲーム体験を作る才能を持っていると言うのは、控えめな表現かもしれない。彼の作品を好きになる人は、それらの作品を本当に愛する。そのため、彼の作品には忠実でカルトなファン集団がついている。一方、彼の作品が嫌いな人の反応も強烈であり、2010年に出たDeadly Premonitionには、「最も評価の分かれるサバイバルホラー」という称号が与えられた。「評価の分かれる」とは、「理解できる」か「意味不明」のどちらかということである。
去年に出たXbox One専用ゲーム、D4: Dark Dreams Don’t Dieのファン状況についても、そこまで極端ではないとはいえ同じ事が言える。残念なことに、D4の配信形式では将来の売上は全く予測できない。なにせ全何話あるのか明かされていないエピソード形式のゲームで、その最初のエピソードだけが公開されている状態だ。このゲームの将来が断崖絶壁の縁でぐらついているのと同じように、ストーリーがばっさりと途切れている。D4のストーリーは終わるどころか、続くことさえも分からない。
だが確かなのは、D4は横に展開しているということである。Access Gamesに所属しているSWERYのチームが、D4を新しいユーザーに提供できるように、PC版を開発している。D4の真髄はXbox OneのKinect技術にあったが、PC版はマウス一つで最後までプレイできる。入力方法の違いにも関わらず、SWERYとのインタビューでは、彼はPC版も100%そのままのD4であると宣言していた。
Kinectからマウスへの変更は妥協ではない。なぜなら、D4の中心にあるものは入力ではないからだ。SWERYは詳しく語った。「D4というゲームは“コントロール出来れば良い”ではなく、“感覚が再現できている”という部分に比重を置いてデザインされています。実際に各入力機器の特性はあるものの、Kinectも、コントローラーも、マウスも、全て“感覚再現”を試みた操作に仕上がっていると思います」
この“感覚再現”というのは、入力を説明するためのマーケティング的な言葉ではない。大量の時間をかけて、感覚再現について考えながら、それに基づいた体験を作っているのだ。その過程が、PC版が生まれた理由とも言える。
次にSWERYは、どうやってD4のPC版が生まれたのかを説明してくれた。「PC版を作り始めたのは昨年末から今年のGDCにかけてです。その時点では販売計画は無く、あくまでもGDCの講演内容を証明するための試みでした。GDCでの講演内容をザックリ説明すると……『Kinectが無くても、“シンボル化”の理論と緻密な観察によって“感覚再現”は可能であり、感覚再現が実現した作品では“感情移入”を促すことが出来る』というものです。その証明のためにマウスだけを使った試作版を作り始めたのです。それをGDCの講演と、PAX EASTで一般にお披露目したところ、想像以上に大きな反響となったため、正式に製品版を開発することを決めました。」
正式な製品版は、そう簡単に作れるものではない。これがAccess Gamesの最初のPCゲームである。(評価が悪かったDeadly PremonitionのPC版は違うスタジオが作ったものであって、SWERYによるとAccess GamesがIPを所持していないので、そのPC版の開発に対して何もできなかったそうだ)
Access GamesがPCゲームの開発に対して経験が少ないことについて、SWERYによると、「多くの問題や、予想外の驚きがありました。まずは前述のとおり、感覚再現をマウスで実現するところ。Kinectが使えないという事実を、むしろ“マウスだけで誰でも簡単に楽しめる”というPC版のウリにするため、ゲームデザイナー、プログラマー、UIデザイナーは頭を悩ませました。次にコンシューマ版では考える必要の無い推奨スペックや最低動作スペックの確定、ユーザーオプションの追加などです。D4はオリジナルのシェーダーを自前のコードで書いている都合上、アンリアルエンジンの設定を変えるだけでは、簡単に下位互換させることが難しく、この点は新たにコードを調整したり、書き加える必要がありました。これは今までコンシューマゲームを作ってきた我々にとって、初めての経験でした」
ともかく、SWERYの言うように、D4のPC版はDeadly PremonitionのPC版と同じようにはならなさそうである。「実際にXboxOneでD4を作っていたチームが携わり、僕が調整に参加している! それだけ本気で取り組んでいるし、D4というコピーライツを大切に考えているということです」
去年、MicrosoftがKinect無しのXbox Oneを発売すると発表したことに対してのSWERYのコメントはそれほど真面目ではなかった。なにせ、SWERYがおそらくD4の企画を始めたころには、Xbox Oneが置いてある部屋にはKinectも必ず置いてあるという前提だったであろう。それが去年いきなり、そうではないという事実が出てきた。この事に対してSWERYは、品位とユーモアのある返事を選択した。「#ThanksObama」(※訳注: インターネットミームの1種。単純に良いことがあった時に言ったり、逆に悪いことがあったときに皮肉を込めて言う)
だがD4に関して、SWERYは極めて真面目に見える。ファンが考えたD4のストーリーの展開(Destructoidのオフィスによく起こる娯楽の一種)の考察に関しては、SWERYがファンに敬意を払うために、あえて答えを出していないと述べた。「D4という作品はミステリーです。ミステリーとはその名前のとおり、最後まで“謎”を楽しむものであり、展開を追っている多くの方々が、推理をして、議論をして、自分の意見を展開する。それ自体がミステリー作品の本質であり、重要な部分だと言えます。そういう意味で、僕があえて議論に参加するのは不作法だと心得ます」
SWERYはD4のPC版についてすごく正直で、オープンに話してくれた。だがD4の続編に関して尋ねると、再び謎めいた雰囲気に戻った。「この先の展開については、まだお話し出来る時期にありません。一所懸命頑張っています! ということだけお伝えしておきます」
まぁ、そう言われるとは思ったが、PCユーザーの協力があれば、私たちが必要としている続編が手に入れるかもしれない。もしくは、猫娘とのさらなる激闘。どっちでも大歓迎だ!
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以上です。みんな愛してる!!
またのご来店をお待ちしております
That’s all. I Love You All!!
Please come again!
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